ボートレース徳山のGⅠ「第64回中国地区選手権」は開催5日目の16日、10~12Rで準優3番勝負が行われた。その結果、17日最終日の12Rで争われる優勝戦メンバーが次の通り、出揃った。

1号艇・茅原悠紀(33=岡山)

2号艇・大上卓人(30=広島)

3号艇・原田篤志(41=山口)

4号艇・白井英治(44=山口)

5号艇・寺田千恵(51=岡山)

6号艇・上平真二(47=広島)


 山口、広島、岡山と3支部からバランス良く2人ずつ優出。このうち、最大の惑星となりそうなのが元祖ボートレース・ユーチューバーとしてもおなじみの上平だ。

 序盤は春を思わせる陽気だった今節だが、5日目は一転、真冬の寒さに逆戻り。気温が一気に低下した上、さらに強風も吹きつけた準優は安定板装着、周回短縮して行われた。

「ボクらしいレースだった」と、したたかなベテランが、〝待っていました〟とばかりに、持ち前の巧みなハンドルワークを駆使して見事に優出を決めた。

「(佐々木)完太君と同じレースができないかと思っていた」と、今大会がGⅠ初出走ながら、この日の1Rで6コースから2着に好走した佐々木完太のレースもイメージして、先行する村岡賢人(31=岡山)を1周2Mで逆転した。

 1着の展開にもかかわらずひっくり返された村岡も「上平さんがうまかった」と白旗を掲げるしかない、絶妙なターンだった。

 舟足もここにきて良化の兆しが見えてきた。序盤戦は出足の甘さを口にしていたが「安定板がついても、しっかりとレースができた。バックの足も悪そうではなかったし、ターン回りも準優の方がいいかも」と、ここ一番でしっかり合わせてくる調整手腕はさすが匠の技だ。

 これで地区選は準Vの昨年に続く連続優出。2、3着が多く「いつも〝惜しかったね〟で終わるタイプ」というが、最終日はさらに冷え込み、水面も悪化する気象予報。

 となれば、円熟のさばきがなおさら生きる条件だけに、準優以上の激走があっても驚けない。