ボートレースからつのGⅠ「開設67周年記念 全日本王者決定戦」は23日、予選2日目を終了。この日のメインレース12R「ドリーム戦」は1号艇・白井英治(山口=44)がインコースから逃げて快勝し、シリーズ初白星をマークした。予選組では安達裕樹(三重=37)と深谷知博(静岡=32)の東海地区勢がそろって2日目を連勝。前年覇者の丸野一樹(滋賀=29)も強力な動きで3戦2勝オール2連対キープと、連覇を狙えそうな勢いだ。そんな好調メンバーに負けじと、地元・深川真二(佐賀=46)が日またぎでの連勝を決め、3戦2勝と好走中だ――。

 ボートレースで最も不利な大外6コース一本で戦ってきた個性派レーサー沢大介(三重=48=今節不参加)が「アウト屋を卒業する」と発表したらしい。絶滅危惧種のアウト屋がまた一人いなくなるのは寂しい限りだが、沢も若くはない。勝率や諸々のことを考えると、背に腹は代えられなかったのだろう。

 これに対し深川は、若い頃から〝一つでも内〟のスタイルを頑なに守り続ける。こちらはこちらで外枠時はリスクを負っての前づけ、内水域からレースをするための調整、外の攻めに対処する巧みなハンドルと判断力など、求められるものは多いが、今節は2日目まで4、1、1着と躍動している。

 21日の前検日こそ足色が劣勢だったが、43号機は好素性ということもあり「慌てることはない」と悠然と構えていた。すると調整の成果はすぐに表れた。初日後半10R、2日目7Rをともに2コース差し切りで勝利。スタートもゼロ台連発の大盤振る舞いだ。

「足は日増しに良くなっていて、出足はいい感じ。地元の記念レースだからというわけじゃなく、走るレースは全部、気合を入れていますよ(笑い)」

 昨年10月以降、優勝した12月の平和島SG「GPシリーズ」を含めて、目下7連続優出中だが「えっ? 知らなかった(笑い)」というのも、目の前の一走に集中できている証しだろう。準優勝戦で枠なりのイン=1号艇を目指し、乗れている男の激走は続く。