【ボートレース平和島GI「開設60周年記念/トーキョー・ベイ・カップ」(13日開幕)】

<注目レーサー:山田哲也(31、東京・95期)>今大会はこの男の真価を問うシリーズだ——。

 艇界屈指のスタート巧者として鳴らし、近年、全国区でも注目を集めてきた“超速攻派”が前期はF2の事故多発。出世街道において、またしても大きな回り道を強いられることなった。

 速攻派にとってフライング(F)は表裏一体とはいえ、スターダムを駆け上がるはずだった若獅子にとっては痛すぎる足かせで「またやってしまった。ホント痛い。僕も落ち着きがないというか情けない…」と痛恨の表情を浮かべた。

 とはいえ、これでへこたれているようでは、先も知れてくる。過去には今村豊のようにF2でSGを制したり、F3でGIを優勝した田頭実がいるように、この苦境を乗り越えられれば、ビッグタイトルも夢ではなくなるはず、まさに試金石となってきた。

 当人も「今が我慢のしどころ、というかこれを自分の糧にしなければいけないと思っている。この状況下で何を、どれだけできるのか。ただスタートだけの選手から道中のさばきやエンジン出しなども含め、ここでもう1ランク上を目指さないと…」と前を向いている。

 直前の多摩川GW戦では一般戦ながらこのシチュエーション下、しかも低調機という悪条件が重なる中で悪戦苦闘しながらも辛うじて予選突破。地力強化を証明した。

 舞台となる当地は2月のGI関東地区選で優出3着、昨年のSG総理大臣杯でも節間3勝を挙げる好走と実績は上々。今節はSGクラスの強敵相手にどこまでやれるか、大いに注目される。

「正直、スタートは無理できないが平和島は別。さすがにGIなので簡単にはいかないだろうけどやっぱり平和島ではぶざまなレースはできない。気合を入れていく。ここ最近はずっとGI優勝を目標にやっているんで当然、優勝を狙っていく!」

 今年の「トーキョー・ベイ・カップ」はこの男を徹底マークする!