【ルーキー通信簿:畑田汰一(22)埼玉支部122期】2018年5月10日に地元・戸田で初出走。翌11日には2着と舟券に貢献すると、シリーズ最終日となる4日後の14日には7走目で初勝利と早くも大器の片鱗をのぞかせた。勝率も右肩上がりに伸ばして、2021年適用勝率は5・54。デビュー3年目でA2昇格を果たした。

「順調ですね。もう少し早くA1に上がりたいとは思うけどA2級には上がれたし、だいたい自分の思った通りの成長はできていると思います。だいぶレースにも慣れてきました。ペラ調整ももちろんだけど、整備も少しずつできるようになってきました」と振り返るように、ここまでは順風満帆のレーサー人生だ。

 昨年は5月に江戸川で初優勝を飾ると11月には戸田で地元Vと充実一途。「やっぱり初Vはうれしかったですね。初優勝の時はまさかという思いで信じられなかったけど2度目の戸田はホッとしました。いっぱい走らせてもらっているし、やっぱり優勝したい気持ちは強かったですから」と着実にステップアップしている。

 師匠の中田竜太も順調な成長ぶりに目を細めるばかりだ。「もともと上手だと思っていたし、ここが良くないっていうところがない。最初はターンで不安定なところはあったが、自分で修正していた。徐々に安定感も出てきましたね。すごいターンをする時もあるし、最近はその割合が増えてきた。自分の経験上、トントンと行けるところまでパパッと行った方がいい。ガーンとなる時がくると思うので、その時は何かアドバイスをできればと思っている。このまま育ってほしい。自分は放任主義なので(笑い)」と笑みもこぼれる。

 まさに今後の活躍が楽しみなルーキー。畑田は自身の将来像について「師匠の中田竜太さんや同じグループの須藤博倫さんとか人間的にも立派なすごい人たちばかりで、自分もそうなれたらと尊敬しています。近い目標としては来期はA1級に上がること。そこから先は、また上がった段階で、いろいろ見えてくると思います。今年の目標は昨年以上に優勝すること」と力強く話す。

 中田も「よく〝一緒に記念に行きたい〟と目を輝かせて言ってくるんです。師匠だけど活躍を見ていると、自分も頑張らないといけない気持ちになってくる。お互いレベルアップできればと思っています」と〝頼もしい弟子〟との共演を心待ちにしている。この師弟コンビが大舞台で顔を揃える日もそう遠くはなさそうだ。

 ☆はただ・たいち 1998年10月26日生まれ。東京都出身。2018年5月に戸田で初出走。デビュー節の7走目に初勝利。昨年5月の江戸川で初優勝。通算2V。同期には安河内健ら。身長は175センチという長身レーサー。