ボートレース浜名湖の「ヴィーナスシリーズ第12戦」が8日、開幕した。

 初日メインの12Rドリーム戦1号艇に選出され、今節の〝看板レーサー〟とも言えた平高奈菜(香川=33)は前半7レースで、4コースの〝カド〟位置からまくりに出たものの、内側艇の抵抗に遭い、まさかの転覆失格。これが選手責任の判定で減点5と痛恨の船出となってしまった。それでも12レース・ドリーム戦には元気に出走。見事、イン逃げに成功した。

 レース後は「電気部品の交換をして、行き足が良かったし、足自体も良くなった」と機力は十分な様子。予選突破へ、もはやひとつも落とせない気持ちだろうが、この舟足ならその可能性も十分だろう。

 一方、予選組では金田幸子(岡山=40)が連勝。中村桃佳(香川=27)、広中智紗衣(東京=39)、桜本あゆみ(東京=32)も初日1、2着の好ダッシュを決めた。

 中でも気配、内容とも特に際立っていたのが中村桃だ。前半3レースはもっとも不利枠とされる大外6号艇から2着。後半8レースも桜本のイン戦を2コースから差し切り勝ちと力強い内容だった。舟足に関しても「前半戦はターンで滑る症状があったけど、後半戦はマシになっていた。レース足がすごくいいのが特徴」と、なかなかの水準。すでに上位級はあるとみてよさそうだ。

 今年4月に産休から実戦に復帰し、前節の宮島で復帰後初優勝。しかも、優勝戦は6コースからという離れ業だった。ただ、中村桃自身の中では満足しておらず「他力(頼みのレース展開)でしたからね…。今度は1号艇から自力で勝ちたい」とさらに意欲を高めている。今節も好リズムだけに、このままポイントを積み重ねて、まずは準優戦の絶好枠を勝ち取るつもりだ。

 中村桃は1993年2月3日生まれ、香川支部の114期生。通算優勝は7回。114期はタレント豊富な黄金期として知られ、同期には羽野直也、村松修二、倉持莉々らがいる。夫は同じ香川支部112期の竹田和哉(26)。兄も現役ボートレーサーの晃朋(香川=28、111期)で、実家は香川県でさぬきうどん店を営んでいる。