ボートレース下関のSG「第66回メモリアル」は28日、4日間の予選を終了。29日は優勝戦に進出するベスト6が決まる準優勝戦3番勝負が行われる。

 3日目まで得点率トップだった寺田祥(山口=41)が6号艇の5Rで4コースまくりを決めて1着とし、トップで予選を通過。2位だった峰竜太(佐賀=35)は4日目に6着、5着と大きく崩れ、7位に後退。なおメモリアル3連覇がかかっていた毒島誠(群馬=36)は予選敗退した。

 準優3番勝負では地元の谷村一哉に注目だ。

 直前の当地お盆レースを走った際には「最近はペラが当たっていないしメモリアルに対しては不安しかない」と弱音を吐いていた。今節タッグを組む37号機を2日目まで「ノーハンマー」だったのも、プロペラ調整に対する自信のなさの表れだったのかもしれない。

 しかし「2日目のレースが終わって、ペラは叩きました。伸びはまずまずいいし、Sのしやすさもある。試運転ではターンの感じも良く、4日目が一番いい感触でした」と調整は〝吉〟と出た。

 3日目終了時点で早々と予選突破を決めていたように、予選道中は①④②②④と地元ならではの堅実な着取り。同支部の白井英治(43)と寺田も順当に勝ち上がった今節は、2014年8月の若松「メモリアル」の状況と酷似してきた。当時は谷村1号艇、白井2号艇、寺田3号艇と優勝戦の内枠を山口トリオが占拠。SG初優勝へ絶好のチャンスを迎えたのは1号艇の谷村だったが、レースは白井がコンマ00の激熱SでまくりV。谷村は6着に沈んだ。

 今回も山口トリオで優出したなら、今度は谷村が6年間の成長の跡を見せつける番だ。差してバック2番手につけた4日目9R、道中戦で後退しての4着に「2Mで差されちゃいましたね~」と悔しそうに語った表情には勝利への執念があった。機力が上向いた今、その執念を準優にぶつけ、まずは優勝戦のキップを全力で取りに行く。

 谷村は1978年12月15日生まれ。98年5月下関で山口支部82期生としてデビュー。2002年9月鳴門で初優勝。16年1月徳山周年記念でGⅠ初V。通算38V。同期には菊地孝平、坪井康晴、赤岩善生、中沢和志らがいる。