【平和島SG全日本選手権】常に全力投球の赤岩に“休日なし”

2013年10月10日 12時06分

努力と根性の男・赤岩

【平和島SG全日本選手権:カウントダウンコラム(1)】賞金争いも佳境に入り、暮れの大舞台・賞金王決定戦まで2か月に迫った。そんな中、平和島SG「全日本選手権(通称・ダービー)」が15日に開幕! 本紙は賞金上積みに燃える男たちを紹介する。そのトップバッターは努力と根性の男・赤岩善生(37=愛知・82期)だ。

 ダービーを目の前にした今も、彼の見据える先は年末の大舞台だ。

「賞金王に行った人じゃないと、あのすごさは分からない。騒がれるのは大変。そこから離れちゃえば楽になるけど、逃げても仕方ないからね」

 2008、09年と2年連続で賞金王の舞台を経験。以来、3年間出場を逃している。「あれで終わったと思われたくない」。この強い気持ちが彼の心を支えてきた。

 合理性が重んじられる世の中だが、彼はいつだって泥臭く、愚直だ。勝負どころを緻密に計算するトップレーサーもいるが、赤岩は「俺にはできない」と言う。

「いつも全力じゃないとダメな人間。手を抜けない。息抜きして、またレースに集中なんて器用なことはできないね」

 それを証明したのが08年の賞金王初出場。前年にパソコンを購入し、1月1日から毎日自分の賞金ランクを確認し、コツコツ稼いで夢の舞台に到達した。「GⅠやSGのタイトルがなくても、1年間地道に走り続ければ俺みたいな下手くそでも賞金王に出られる」。自身の経験を今、後輩に伝えている。

 常に全力投球の彼に“休日”はない。空手の道場に通い、一日3時間のトレーニング。昼ご飯はかき氷のみ。休憩を挟んで約15キロ走り、筋トレをする。たばこもやめた。全ては勝つためだ。

「子供と遊んでいても、ふと気温が気になって休み明けは回転が上がらんなあって考えたり…。四六時中、ボートのことばかり考えている」

 ストイックな姿勢は完全優勝8回という偉大な記録も生んだ。今年も4月の大村、9月の蒲郡で達成。全レースで1着を狙う美学は、かつて空手の師範に言われた「悔しかったら文句の言えない勝ち方をしろ」という言葉が礎になっている。

 現在、赤岩の賞金ランクは34位。「ダービーで結果を残し、地元の蒲郡で優勝して900万円を取ってチャレンジにつなげたい」と青写真を描くが、SGであれ一般戦であれ緊張感は一緒だ。

「息抜き? 引退するまでしないよ」

 ダービーでも武骨に、魂を込めて走る。それが彼に与えられた「宿命」だから。

☆あかいわ・よしお=1976年2月8日生まれ。愛知県在住。98年5月の常滑で82期生としてデビュー。2走目に水神祭(初1着)。99年12月の下関で初優勝。2006年12月の賞金王シリーズ(住之江)でSG初制覇。GⅠ初Vは09年11月の桐生MB大賞。通算69V(GⅠ5V、SG1V)。身長168センチ。血液型=A。