猛者を震撼させた吉田拡郎の機動力

2012年06月16日 10時00分

【ボートレース芦屋:SGグランドチャンピオン決定戦(19日開幕)】外から好着順を取れるか取れないか。新ペラ制度で選手の実力差が拮抗するにつれ、その重要度は高まる一方だ。吉田拡郎(30=岡山・90期)のアウト、センターからの破壊力に度肝を抜かれたファンも多かったのではないか。先の戸田・総理杯、その優勝戦でも断然の1番人気に推され、敗れはしたが(4着)この男が近々、SGを取ることに異論を挟む者はいないだろう。SGに最も近いといわれる男の心境とは――。

 プロペラ制度変更前の最後の大一番となった3月の戸田「総理大臣杯」でSG初優出。強烈な伸びを武器に大暴れ、優勝戦でも1番人気に推されたのは、全国のファンが「吉田拡郎、恐るべし」と認識した結果だろう。

 4着に終わった優勝戦を「エンジンは『優勝したい』って言いよったけど(笑い)」と振り返ったが、コンマ15のスタートに「納得いってるかどうかは微妙…」と言うのは〝ゼロ台に突っ込みたい〟思いを〝Fは切れない〟という良識が邪魔した、消化不良な部分があったのかも知れない。

 ともあれ〝SG戴冠も十分可能〟という能力の高さを証明してから早3か月、次は舞台を芦屋に替えての「グラチャン」だ。
 ファンは〝戸田の快進撃をもう一度〟と期待するが、意外にも本人は危機感を募らせていた。

「ペラ制度が変わってからダメじゃね。持ちペラのころの自分は、レース場に入るまでに3枚のペラをキッチリ仕上げて合うぺラを使いよったけど、3枚とも合わん時はお手上げじゃった」

 なるほど、成績を見ても、制度変更前4節連続優出(2V)の勢いはピタリと止まってしまった。直前の児島周年こそ6戦5勝で予選トップ通過だったが「整備士さんがエンジンを直してくれたおかげ」とプロペラ調整でパワーを引き出したわけではない。

「まだ自分の理論がないので、これから経験を積んで引き出し(ペラ調整の方法)を増やすことが課題になる」

 なにやら新人選手のようなコメントだけに、大丈夫?と言いたくなるが、芦屋は過去4節で3優出1V。優出を外した今年2月の周年でも準優には駒を進めた。

「芦屋は意外に外が利くイメージがある」と言うように、過去4節、4~6コースから17走で12回の舟券絡み(3着以内)。プロペラ調整に不安を抱えながら乗り込むとはいえ、抽選次第では並み居る猛者を震撼させた機動力の再現も十分だ。

☆よしだ・かくろう=1982年4月18日生まれ。岡山県在住。2002年5月児島タイトル戦でデビュー。初出走で1着。初優勝は2004年10月児島一般戦。GⅠ勝ちはまだないが、今年3月のSG戸田総理杯では怒とうの活躍で優出、惜しくも(4)着に敗れた。常に一発の魅力を秘める。優勝回数19回。90期の同期には石野貴之、赤坂俊輔、宇野弥生ら。血液型=B。