【住之江SG「第34回グランプリ」&徳山プレミアムGI「第8回クイーンズクライマックス」=カウントダウンコラム(13)=注目レーサー】

★毒島誠(GP1位=35、群馬・92期)=2年連続賞金ランキング1位で年末の大一番に挑む。「昨年は多少なりとも、いろいろな思いがあった。でも、今年はびっくりするほど重圧がないんですよ」と和やかな表情で胸中を打ち明ける。

 前回大会、初戦は白星だったものの2走目4着、3走目5着。優勝戦は5号艇で2着となった。レース直後、GP初制覇に号泣する峰竜太を祝福しながらも「やることはやったと思う。でも、勝てなかったんだから何かが足りなかったということ。何が足りないのかはわからないけど…」と唇をかんだ。

 あれから1年…。「やることはやってきた。体重、体も仕上がっています。毎年、GPのためにやっていますから…。もうGPを取るのが目標と言ってもいいですよね」。自信満々で昨年と同じ舞台に帰ってくる。

 今年前半は目立った活躍はなかった。「序盤は良くなかったですね。糸口も見えてなかった。でも、7月のとこなめオーシャンカップで久しぶりにいいエンジンを引けて、エンジンを出せれば上に進めると再認識できました」。オーシャンCで優出すると8月の大村メモリアル、10月の児島ダービーでSG2大会連続Vと年末に向けて加速してきた。

 ダービーでは師匠・江口晃生の前でのVに涙した。「GPを取るまでは泣かないと決めていたんですけど…。次はGPを取って泣きます」。2019年ボートレースの頂点へ――。“勝つ”準備は整った。

★大山千広(QC1位=23、福岡・116期)=昨年は賞金ランク13位の次点で出場を逃した。「昨年の13位は実力がなかったからです。クイーンズCに出られるのは、純粋にうれしい」と、心に秘めていたトップ出場という目標はクリア。8月の蒲郡PGⅠ「レディースチャンピオン」を制し、ここまで15優出5V。11月桐生SG「チャレンジカップ」では予選突破を果たすなど、一気に位置づけは女子ナンバーワンとなった。

 だが「周りは評価をしてくれるけど、自分の中では結果と実力がかみ合ってないですね。エンジンの引きも良かった。段階を踏んで力をつけていると思うけど、まだまだだし、その部分を努力して埋めていきたい」と、自身は周囲の評価を“過大”だと感じている。そして、そのギャップを埋めることが現在のテーマだ。

 一方で、今年ここまで3回出場したSGは大きな糧となった。「SGは刺激しかなかった。一緒に走ったり、ピットでの作業、過ごし方を間近で見られて勉強になったし、少しは成長できたかなと思う。分かっていたことだけど、実力差があることも痛感しました」。4回目のSGとなる住之江「グランプリシリーズ」を経て臨むQCで、さらに成長した姿を見せるはずだ。

 初出場初Vとともに、年間女子GⅠ完全制覇にも挑む。「そこはあまり意識せず、自然体でレースに行きたい。徳山は好きな水面だし、相性もいい。1号艇でスタートできるのも、すごいアドバンテージだと思います」。偉業を達成したときが、名実ともに女子のトップに立つ瞬間だ。