【住之江SG「第34回グランプリ」&徳山プレミアムGI「第8回クイーンズクライマックス」=カウントダウンコラム(6)=注目レーサー】

★徳増秀樹(GP12位=静岡・75期)=デビュー26年目で手にした悲願の初出場だ。しかし、その“過程″には満足していない。

 今年はSG、GⅠで2優出ずつ。「勝ち切れていない。要所要所でうまくしのげていたとは思うけど…。SGやGⅠでも勝てるチャンスがあったのに…」。GP初戦は3号艇。1つタイトルを取っていれば、さらなる好枠を手にできただけに唇をかむ。

 勝負へのこだわりを強くした一戦がある。昨年10月の住之江GⅠ高松宮記念だ。「予選最後のレースで3着だったら予選トップだったのに4着で予選3位。結局、優勝できなかった。着順一つの差の大きさを実感した。自分の中で意識を変えるレースになった」と振り返る。着順一つにこだわる姿勢を貫くことでGP初出場につなげた。

 いよいよ夢の大舞台に臨む。

「グランプリに出ることが目標にならないように…。取ることを目標に準備したい」と力強く語った。

★田村隆信(GP11位=徳島・85期)=2019のSG戦線はクラシックからチャレンジCまで皆勤。GI戦線では10月の地元・鳴門66周年、11月に蒲郡64周年を制し、さらには直前の平和島プレミアムGⅠ・BBCトーナメントでも優勝と秋以降、絶好調だ!

 その原動力は鳴門開催となる来年のSGオーシャンCだ。「地元のSGに出るという明確な目標ができた。自分の中では(オーシャンCに)出たい気持ちが強い」と熱き思いを抑えきれずにいる。

 決戦の舞台・住之江は今年6月の63周年記念2着→9月・高松宮記念3着と存在感をアピール。「優勝はしてないけど、悪くないですよ。相性はいいし、調整が合っていると思う」と自信の弁。

 意外にもグランプリは5年ぶりとなるが「地元のオーシャンCに出るためにも、いい成績を残したい」と早くも闘志を燃やしている。前回の平和島第29回大会では無念のFに散ったが、今年は何もかもが違う。

 もっかの勢いそのままに、初戴冠の可能性も十分だろう。

★今井美亜(QC9位=福井・106期)=令和元年の最大目標に掲げた「クイーンズクライマックス」初出場を決めたものの、今年が特別好調というわけではなかった。それでも目標に手が届いたのは、フライングに細心の注意を払ったからだ。「17~18年の獲得賞金の感じから、フライングを切らなければ(QCに)行ける手応えを持っていた」と明かした。

 今年は2月の宮島男女W優勝戦を制して幸先良く滑り出し、11月の地元・三国ヴィーナスSでは11戦9勝の成績で他艇を圧倒して2回目の優勝を飾るなど、成果を積み上げてきた。また、8月のPGI蒲郡レディースチャンピオンでは3年ぶりとなるGⅠ優出(3着)も果たした。

 レーサーとして一歩、また一歩、着実に成長してたくましくなっている。舞台の徳山は「自分は回すタイプだけど徳山は回らない。だから思いっきり調整できるので相性はいいと思ってます」。待ち焦がれた舞台での決戦に燃えている。