【蒲郡プレミアムGⅠ「第33回レディースチャンピオン」=カウントダウンコラム「疾風迅雷」(1)】「真夏の風物詩・プレミアムGⅠ「第33回レディースチャンピオン」が7日に開幕する。今年の舞台はボートレース蒲郡。カクテル光線きらめく水上で熱いバトルが展開される。今回のカウントダウン連載は「疾風迅雷」と題して鋭いS、切れ味あるターンを武器にする速攻派に注目。第1回は昨年の覇者で最多の大会4Vを誇る山川美由紀だ。

 若手レーサーの台頭が著しい中でも女子トップの一人として、まだまだ活躍している。その原動力はやはりS力だろう。最近6か月の平均STはコンマ14。今大会の出場選手の中でも5本の指に入る数字だ。残念ながら今期は6月の宮島でFがあり「あれは選手人生で一番ショックな出来事。起こし位置や秒数を間違えたんです。勘違いのFでした」と猛省したが、基本的には事故の少ない選手だ。

 F直後の節こそ平均STがコンマ17と落ちたものの、F後2節目となった前々節はコンマ12、前節はコンマ13と平均Sが落ちていない。S勘自体はしっかりしていることを証明している。今年のSG優勝者は吉川元浩、柳沢一、瓜生正義と、S行ってまくれる選手が結果を残しており、これが現在のトレンド。山川自身もこの大会の4Vのうち3度が「まくり」だ。

「レディースチャンピオン」へも強い思い入れがある。現在のボート界において、年間最高峰のレースは優勝賞金1億円のグランプリ。とはいえ、グランプリ創設以前の時代から走っていたベテランなら「ダービー」という選手も多い。クイーンズクライマックスが創設されて間もない女子艇界はなおさらで、山川も「年末(クイーンズC)は枠抽選とか運の要素もありますから、やっぱり夏の大会(レディースC)が一番ですよ。気合が入ります」と女子の最高峰に位置付けている。

 さらに史上最多という点では女子では前人未到となる通算2500勝も間近。現在、前走の住之江一般戦終了時点(7月26日)で2479勝。残念ながらレディースCでの達成は不可能だが「ひとつのメドですよね。今年中に達成したい」と目標のひとつにしている。

 近況は「令和になって(調整が)悪いんですよね。気温が上がってダメっていう気がする。(開催地の)蒲郡も最近、走っていないので…」とトーンが下がるものの勝負どころでの強さは特筆もの。連覇で大会最多V記録を「5」に伸ばす可能性も十分だ。

☆やまかわ・みゆき=1966年10月24日生まれ。香川支部の57期生。85年11月の鳴門でデビュー。通算優勝80回。通算1着2479回。レディースチャンピオンは96年・戸田、2001年・多摩川、12年・若松、18年・桐生の4V。同期には亀本勇樹、長岡茂一、吉田隆義、小畑実成ら。身長153センチ。血液型=A。