【多摩川ボートSGグランドチャンピオン】“強運男”笠原亮 経験と技術を携え再現狙う!

2019年06月14日 11時00分

思い出の多摩川で“再現”を狙う笠原

【ボートレース多摩川SG「第29回グランドチャンピオン」18日開幕=カウントダウンコラム「気炎万丈」②】SGで活躍した選手が集うSG「第29回グランドチャンピオン」が18日、ボートレース多摩川で幕を開ける。実に23年ぶりとなる“多摩川グラチャン”。今回の直前連載「気炎万丈」では多摩川に“思い出”があり、当地での戦いに闘志を燃やす選手を紹介。第2回は2001年にはデビュー初V、05年3月のクラシックではSG初出場初優出初Vを決めている笠原亮(39=静岡・84期)の登場だ。

 19年後期適用勝率は6・32。SG・2勝などトップレーサーとして走り続けてきた男にとって、納得のいく数字ではない。

「近況は良くないです。SGに出ることも少なくなったしGIで成績も出ない。エンジンとペラの調整がうまくいかないことが多い。弱気な自分を感じることもある」と自らも“不振”を自覚する。それでもペラとエンジンの調整から逃れることはない。

「時間があると調整をやり過ぎてしまう。わかっているんですが、そういうことをやっていかないと上を目指せない。そういう世界ですから…」

 14年前の05年3月、笠原が自身初となるSGの舞台―多摩川クラシックへ臨んだ時もそうだった。「このSGの直前は本当に調子が良くなくて」。初の大舞台への熱狂どころか、リズムを崩していた。しかし、25歳の笠原は大胆に気持ちを切り替えた。

「本番はもう開き直って臨もうと。だから、あの時は本当に走るのが気持ち良くて、楽しみでしかなくて…。レースが待ち遠しかった」。向上心と走る喜びに突き動かされた笠原は驚異的な集中力を持ってSG初優出を果たす。優勝戦はフライング艇が出る中、笠原は01でギリギリ踏みとどまり、鮮やかなツケマイを決め初の栄冠を手にした。

「あそこで01でも残したのが運命だったのかもしれません」。試練を乗り越え、SG初出場、初優勝という離れ業をやってのけたのだ。

 あれから14年がたった今、もちろん心境に変化はある。「あの時のような、最近はああいう感覚を味わえることが少なくなった」。酸いも甘いもかみわけた今となっては当然といえば当然の変化。しかし、今は当時なかった経験も技術も自負もある。そして、あの時と同じ予兆も。

「今年の今の感じがあの時の感じに似ているんですよね」

 01年10月のデビュー初優勝も多摩川。何かと“縁”がある水面は“不振”を乗り越え、さらなる高みを目指すには絶好の舞台。培った経験を解放し、令和の新たな時代にも「天才・笠原亮」の名を刻む。

☆かさはら・りょう=1980年1月19日生まれ。静岡支部の84期生。99年5月14日に浜名湖でデビュー。4走目で初勝利。2001年10月の多摩川で初優勝。05年多摩川クラシックでSG初出場、初優勝を飾る。GIは同年4月のびわこ周年記念で初優勝。優勝は通算54V(うちSG2V、GI5V)。同期に中島孝平、中村有裕ら。身長170センチ。血液型=AB。