【福岡ボートSG「オールスター」カウントダウンコラム・伏竜鳳雛(4)】いよいよ令和最初のSG「第46回オールスター」が21日、ボートレース福岡で開幕する。恒例の直前カウントダウン連載のラストは舞台となる福岡の「水面特徴」と「エンジン相場」をチェックする!

【エンジン相場】現行エンジンはSGオールスターが最終節。温水パイプが外れて3節目となる。文句なしのエースは69号機だ。乗り手にかかわらず仕上がるのはもちろんだが、調整次第で出足、伸びどちらにも寄せることが可能。コースに関係なく狙いたい。

 52号機は69号機同様に総合力が高いエンジン。基本は伸び型だが、バチッと合えば全部が良くなる。24号機は3月に馬場貴也が優勝。「オールスターでも引きたい」と話したほどの仕上がりだった。出足、行き足はトップ級だ。

 近況再浮上しているのが元エースの23号機。ペラ交換後に下降気味だったが、ここにきて復活ムード。レース足が良く、確実に中堅上位には仕上がっている。17号機も春先から噴き始めた。2節前に地元の田中孝明が上位の足に仕上げて優出している。機勝率は平凡な54、57号機だが共に近況は上位級。特に4月のルーキーSで井上一輝にキャリア初Vをもたらした54号機はダークホースといえる。

 一芸タイプとしては検定タイムトップだった42号機。底力のあるエンジンで特徴は出足や回った後の二の足。37号機は3月の一般戦で徳増秀樹が節一の足でオール2連対V。レース足はやや見劣るが伸びは上位級だ。

【水面特徴】福岡水面の特殊性は大きく2つ。1Mのうねりとダッシュの短さ(180メートル)だ。うねりは季節に関係なく発生する。風や潮の干満はもちろん、隣接する博多ふ頭から発着する船舶の影響もあるとされる。

 うねりに乗ってしまうと内でバランスを崩したり、握った選手が大きく流れて後退するシーンもみられる。福岡が“イン受難”“3コース有利”と言われるのも、このうねりが主因。「博多は1、2コースが水面にひるんでレバーを落とすことが多くなる」(瓜生正義)ため、3コースから早いSを決められると、インが持たないケースが出てくるのだ。今大会でいえば初日は大潮、その後も潮位の高い時間がレースと重なる。水面難易度は高くなるだろう。

 後者のダッシュの短さはエンジン出しに関係してくる。「行き足はもちろん重要だが、それだけでは乗り切れない」と話すのは平田忠則。多少の重さは覚悟して、スリットから先の伸びを重視した調整も求められる。むろん場慣れは不可欠だ。

 このように福岡は他場以上に経験が“もの”をいう。地元勢を積極的に狙ったり、水面相性の良さも予想ファクターに加えておきたい。