【女子ボートレーサーの愛用品】村上奈穂“魔力”を発揮する12本のカラーボトル

2019年05月08日 11時00分

“宮島の母”として選手に信奉されている村上。この12本のカラーボトルが“魔力”を発揮する

 歌舞伎町の母ならぬ“宮島の母”――。女子レーサーの間でこう呼ばれる選手がいる。広島支部の若手・村上奈穂(26=広島・115期)だ。毎節、宿舎にお気に入りのカラフルなボトルを持ち込み、女子選手の悩み事や恋愛相談に乗っているという。その手法と効能はいかに――。

 2017年の9月にF3を経験。そのF休み期間中にこれまで知らなかった様々な世界に足を踏み入れることになった。失意のどん底にあった時に出合ったのが「色彩人間学」だ。

 心の安定を求めるためには色の持つ“魔力”が良薬となることを知り、すぐに興味を持った。これを学べば自分自身が変わり、同時に多くの悩める女子を救えるのではないか…と。1日8時間、数週間みっちり学び、カラーボトルの不思議な力を会得した。

「占いみたいだけど、占いではない。カウンセリングともまた違う。でも、これを学んで私も精神的に救われた部分もいっぱいあるし、ほかの選手からよく当たると言われるんですよ」

 12本のボトルを並べ、質問項目ごとに相手に色を選択してもらう。これで、その人の心理状況や欲望、満足度などが把握できるという。

「相手の個性や今、何がストレスになっているかが浮かび上がってくるんですよ。自分自身、メチャメチャ短気で、落ち込むとなかなか帰ってこれない人間だったけど、これを知ってだいぶ丸くなりましたね。気持ちが楽になりました」

“信者”の一人である出口舞有子によれば「かなり当たりますよ」とのこと。この評判が選手間でも広まり、レース後の宿舎で「ほとんど」の女子レーサーを診断してきた。この取材中も次の“予約”を申し込む選手もおり、なかなかの人気ぶりだ。そして、ベテランから若手まで宿舎でいろいろな女子選手の考え方や性格、意外な一面を知ることが自身のスキルアップにもつながっている。

「自分はずっとダメだと思っていたけど、これを学んだことにより、嫌な部分も肯定することになってすごく楽になりましたね」という言葉通り成績も上昇中。直近2年では3点台半ばしか残せなかった勝率も19年後期は4・67までアップ。1月の宮島、3月の蒲郡ではともに準優6コース発進から3着に入線し、初優出も確実に視野に入るだけの地力をつけている。

「まずはA級に上がることを目標に。いずれはクイーンズクライマックスに出場できるような選手になりたい」。“色の魔力”という独自のアイテムを武器に着実にステップアップしていく。

☆むらかみ・なほ=1993年1月13日生まれ。広島支部の115期生。2014年11月の宮島でデビュー。16年3月、同場で水神祭を飾った。まだ優出経験はない。同期には仲谷颯仁、野中一平、関浩哉らがいる。身長156センチ。血液型=AB。