【宮島ボート・マスターズチャンピオン】江口晃生「どんなレースでも、一つでも内を取りに行く!」

2019年04月12日 11時30分

江口晃生

【宮島ボート「マスターズチャンピオン」カウントダウンコラム・威風堂々!(2)】熟練の技が激突するボートレース宮島のプレミアムGⅠ「第20回マスターズチャンピオン」が16日に開幕。直前カウントダウン企画では「威風堂々!」と題して大会V経験があるレーサーに焦点を当てている。第2回は2013年の第14回大会(びわこ)を制した関東の重鎮・江口晃生だ。

 常に一つでも内のコース取りから勝ちを狙う。いわゆるイン屋というレーススタイルは第1回大会で完全Vを果たした高山秀則氏、還暦を超えて初のGⅠ制覇を達成した万谷章氏など個性あるマスターズたちの流れをくむ正統な系譜にあるといっていいだろう。

 しかし、そんな江口を含めた個性派揃いで、何でもありな奇襲戦法でレースを魅了したマスターズ世代も今の枠なりイン絶対主義という大きな波には逆らえない。さらに、このマスターズチャンピオンも昨年から年齢制限が45歳以上に引き下げられ松井繁を筆頭にSG戦線でバリバリ活躍する選手も出場できるようになった。この“新マスターズ”に対して「去年ぐらいから今のSGとか記念の延長みたいになった。レベル自体は相当に上がっているけど、メリハリがなくなっているよね。昔のマスターズは僕がデビューした当時のレースのイメージ。前づけに行く人は行くし、引く人は引いてって、どっちもが決まるような印象」と戸惑いを隠せないのも事実だ。

 ただ、そんな大きな変動の中においても、いつものスタイルを崩すことはない。「インは取りたい。でも3コースだろうが4コースだろうが自分の練習したS位置は、本番でも必ず行く」。外から、どんなにまくられようが、内からどんなに張られようが、徹底した前づけ戦法で白星奪取に向けて突き進む。

 その強引なコース取りは、時にはむちゃな戦法に見られかねないが、そこはボート界の修験者たる矜持がある。

 どこでも、どんなメンバーだろうが、いつも同じ――。

 そこには今までの選手生活で培ってきた揺るぎない信念があるのだ。

 ひとたびカポックを脱ぐとピットでは、いつも柔和で知的な紳士然とした顔をのぞかせる。「今は宮島に合わせて、この時期のワンパターンのペラをアレンジして違う引き出しを作っている」と日々の研究も怠らない。変わらなければいけない部分と変わってはいけない部分を、しっかりと併せ持つことができる、それが江口の個性なのだ。

 多くのマスターズたちが、しのぎを削ってきた匠の王者決定戦も今回で20回目の節目。そして平成最後の大会。しかし、普段と変わらないマイペースで戦っていく。

☆えぐち・あきお=1965年2月11日生まれの54歳。群馬支部54期生。1984年5月に桐生でデビュー。86年7月の福岡で初優勝。95年2月の戸田「関東地区選手権」でGⅠ初制覇。98年11月の平和島「チャレンジカップ」でSG初制覇。通算97V(GⅠ・6V、SG・2V)。同期に金子良昭、島川光男らがいる。身長165センチ。血液型=AB。