人気女子レーサーのこだわりの品を紹介する好評企画「女子ボートレーサー 私の愛用品」――。今回は福岡支部の注目株・戸敷晃美(22=福岡・118期)の登場だ。今年から芦屋のフレッシュルーキーに選出された福岡支部の注目株は、ある「開運グッズ」を大事にしている。
 
 ゲンを担ぐスポーツ選手は多いが、戸敷もその一人。2016年5月にデビューして以来、なかなか勝てない日々を過ごす中、17年の夏に大阪に遊びに行った際にパワースポットを調べ、箕面市にある「勝運の寺 勝尾寺」の存在を知った。愛用品は勝尾寺の名産品である「勝運ダルマ」だ。顔の下に大きく描かれた“勝”の字が特徴の手のひらサイズのダルマで「最初は軽い気持ちで」購入し、ダルマの裏には“水神祭!!”と記し、左目に目玉を入れた。

「最初は家に置きっぱなしだったんですが、レース場に持って行くようになってから成績が上がったんですよ」と荷物と一緒にスーツケースに入れて持ち歩くや、成績は右肩上がりに! ついには18年8月の福岡で初勝利し、水神祭を挙げることができたのだ。その節の最終日翌日、感謝の気持ちでダルマの右目にも目玉を入れると、すぐに勝尾寺に直行。無事奉納を終えるや“2代目”の勝運ダルマを購入したという。それが今回紹介しているダルマで、今度は側面に“優勝する!!”と目標を記している。

 宮崎県出身の戸敷は小2から始めた「テコンドー」の有力選手だった。中3時には全日本で2位、高3時には西日本で優勝と華々しい実績を持つ。「テコンドーで鍛えた筋力、柔軟性、精神力がボートレースでも生かされている。自分はメンタルは強いしポジティブな方」と自己分析する。

 今年から有望選手への登竜門でもあるフレッシュルーキーに選ばれた。「A級選手の多い芦屋に住んで、フレッシュルーキーになりたいと思っていた。チーちゃん(大山千広)の後でプレッシャーはあるけど、まだ優勝してないので、芦屋で優勝したい」と志は高い。豪快なレーススタイルを目指して、竹井奈美に師事。「最近は握るレースが多くて、Sもだいぶ安定してきた」とデビュー以来着実に勝率を上げている。「目標は師匠の竹井さん。同じ宮崎出身の日高(逸子)さんのように息の長い活躍ができる選手にもなりたい。近いうちに、優勝してダルマに目を入れたいですね」と意気込む。テコンドーで培った精神力を武器に、目標達成はそう遠くはないはずだ。

☆とじき・あきみ=1996年8月23日生まれ。福岡支部の118期生。2016年5月福岡でデビュー。18年8月福岡の一般戦で初勝利。優勝、優出ともに未経験。今年から芦屋フレッシュルーキーに選ばれ着実に成長している。同期は関野文、栗城匠、新開航、宮之原輝紀ら。身長159センチ、血液型=O。