元モデルレーサーに〝ブサイクのススメ〟

2012年03月20日 09時56分

【白鳥幹太:ギャンブル裏街道】デビューして4か月。昨秋、元モデル出身の美女ボートレーサーとして話題を呼んだ芦村幸香(26=山口)が、もがき苦しんでいる。下関でのデビュー戦の模様は朝のワイドショーでも報じられたほどの大にぎわい。それ以降、彼女に接する機会はなかったが、各所で周囲の先輩や109期同期生から近況が伝わってくるのだ。最低規定体重の47キロに満たず、ヤセ過ぎを心配する声もあるが「それはあまり関係ない。原因は他にある。もっとブサイクにやらないと」と一刀両断するのは彼女の師匠である吉本正昭(53=山口)だ。叱咤激励の中には時に厳しい言葉も含まれている。元モデルに向けた“ブサイクのススメ”とは――。

 デビュー戦でいきなり2着。道中の全速連打は見どころ十分でデビュー節で水神祭も、と期待を集めたが3走目に転覆。そこから歯車が狂い始めレースに参加できない状態が続いた。2月の徳山では一度は先頭を走ったが、道中抜かれて2着。ここまで58戦して2着2回。残りはすべて着外の成績に終わっている。
 7人の“大所帯”となる同期女子はまだ誰も初勝利ドボンの儀式を行っていない。師匠の吉本は芦村の走りを一番間近で見続けており、なぜ勝てないのか、ここまで苦しまなければいけないか、的確に分析している。
 吉本が挙げたのは以下の3つだ。①柔軟な思考回路の構築②メンタル面の強化③欲望の欠如。
「何かね、悪い自分の決め事みたいなのがあるんよね…。バック側から2コーナーに向けて、黄色の100メートルポール、つまり50メートル手前からハンドルを切る、と決めているんよね。でも、レースは相手があってのものだし、互いの動きを読みながら対応する。それが臨機応変なんよ。そのあたりをどんどん身につけんとね」
 これが①の解説。そして出てきたのが次の言葉だ。「今はええターンなんて必要ないんよ。それよりブサイクでもええから勝つという気持ちをもっと持たんと」
 潜在能力を見抜いているからこそこんな厳しい声も飛ぶ。「もっとブサイクに」。元モデル、との肩書も結構大変そうだ。
(この項続く)

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