【SGグランプリ&GIクイーンズC:カウントダウンコラム(3)選手紹介】

【GP18位=新田雄史(33)三重・96期】SGチャレンジカップ開催前の賞金ランクは14位。10月の鳴門GI65周年のFでチャレンジCは出場できず「相手待ち」の状況だった。「可能性があるだけ幸せだな、と思っていた。でもみんなの勝負強さを知っているので、抜かれるだろうと思っていました」と覚悟を決めていたが、18位にとどまり“最後のイス”が巡ってきた。

 今年は5月の尼崎オールスターで準優勝と好走もあったが後半は失速。「夏場に入り調整がうまくいかなかった。いいのに『悪い』と思って壊してしまうこともあった」と迷走し、リズムに乗れなかった。その失敗を糧にいざ大一番に臨む。

 初出場の前回は優出3着。「あの時はガツガツしていましたね。でも今回は、ガツガツせずニコニコして頑張りたい。フライング休みの間に、しっかり準備します」と闘志を内に秘めて戦うつもりだ。ツキもある18番目の男が静かに下克上を狙っている。

【GP17位=池田浩二(40)愛知・81期】グランプリ2Vを含むSG9冠を誇る強豪が2年ぶりに年末の大舞台に登場する。今年は記念戦線での優勝もなく「どこかで“やった”という思い出もないし、なぜこの順位にいるか分からない」という。ただF休みがなかったことと、地元・蒲郡ダービーでの優出6着が決め手となった。

 徳山65周年、大村MB誕生祭も6着。今年は優勝戦での大敗が多かったが「なんか優勝戦に乗れた時点でホッとしてしまって…。前厄の40って年齢のせいか?最後に事故りたくないって…。攻められない感じがした」と回顧した。

 とはいえ、まだ老け込む年ではないし、衰えはみじんもない。だからこそ“グランプリでは”の思いは強い。「TR1stからだから今までのようには勝ち上がれない、というのはある。だからちょっと“鬼”になって行きます! 進入もレースも厳しく行く」と早くも“本気”。不惑の走りで3回目のVを目指す。

【QC12位=細川裕子(36)愛知・88期】最終決戦のチャレンジカップはF休みのため不参加。相手待ちの立場で戦況を見守り、ギリギリ12位に残った。

 13位の大山千広とは約10万円差で最後のイスが巡ってきた。

「正直なところ(9月のとこなめで)Fを切った時に出ることは諦めていました。Fを切ってから1か月ぐらい立ち直れないぐらいショックだったし、まさか出られるとは思ってなかった」

 2018年後期勝率は自己最高の7.35。若松オーシャンCではSGデビューを果たした。ダービーには出場こそならなかったものの、予備1位とあと一歩のところまで…。今年は充実した一年でもあった。

 舞台となる平和島は今年5月に走って優出3着。

「平和島はあまり走らないのでよく分からないけど、せっかく出られるので面白いレースができるように頑張ります」。攻撃派の細川にとっては、うってつけの水面。最後の出場切符が転がり込んだツキも生かして反撃だ。

※次回は菊地孝平、太田和美、松本晶恵