【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】実森を一変させたパンチが利いた角の教え

2018年11月21日 10時30分

実森(左)と師匠の角

【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】師匠を持つことは、経験の少ない若手選手にとって大きなメリットだ。しかしそれだけではない。弟子を取ることにも利点はある。今回の「レーサーズ~仲間たちの絆~」で取り上げるのは広島のベテラン女子レーサー・角ひとみ(50)と売り出し中の若手・実森美祐(22)のコンビ。互いに影響を与え合う2人の師弟関係に迫る。

 きっかけは実森のデビュー節に角も一緒に走ったこと。レース後しばらくたって実森が弟子入りを志願。角も快く受け入れた。ただ角自身も弟子を取るのは初めて。やはり生みの苦しみがあったという。

「頼ってくれたからには一緒に頑張ろうって思いました。でも初1着を取るまでは私自身も不安だったし、すごく心配しましたよ。大丈夫かな、この子って」(角)

 結果を出せずに苦しんでいた実森を救ったのが師匠のひと言だった。

「“外から行け”って言われてました」(実森)

「分からなくなったら握っとけ、です」(角)

 レースでは多くの要素が複雑に絡み合う。「器用なタイプじゃない」(角)という実森には、シンプルに考えることが何より重要だった。

 今は足元を固めつつ上を目指す段階。3号艇での優出となった8月の尼崎ALでも迷わず大外を選択。同期が次々とスロー域への進入を始める一方でダッシュからの戦いを続けているが、その効果は着実に表れている。

「最近は1Mの展開を見ることができるようになって、突けるようにもなった。角さんからも細かいアドバイスやエンジン出しとか具体的なことを教わることが増えたと思います」(実森)

「最近はゲージを作ったり、それに合わせたペラ調整を少しずつ教えている段階」(角)

 弟子の急成長は角自身にも好影響を与えている。A1昇格こそならなかったものの、19年前期適用分で久々に勝率6点台をマークした。

「彼女のレースはもちろん全部見ます。とにかく見る機会が増えた。それが大きいですね。レースは日々進化している。私たちもそれに付いていかなきゃいけない」(角)

 実森の手近な目標はA級への昇格。角に「ツボにはまれば実力以上のものを発揮する」と言わしめる爆発力をもってすれば、大舞台で師匠とともに走るのも、そう遠いことではなさそうだ。

☆すみ・ひとみ=1968年9月16日生まれの50歳。広島支部の61期生。87年11月に宮島でデビュー。優勝は通算28回。GⅠ優出2回。SG出場は7回を数える。昨年4月に通算1500勝を達成。61期同期は山崎義明、丸尾義孝、新美恵一、野長瀬正孝ら。生涯獲得賞金は約6億8000万円。身長162センチ。血液型=A。

☆さねもり・みゆ=1996年9月11日生まれの22歳。広島支部の119期生。2016年11月に宮島でデビュー。17年12月の平和島で水神祭。初優出は今年7月のまるがめヴィーナスS。優勝はまだない。同期には西橋奈未、井上忠政、黒野元基、土屋南ら。25日から宮島一般戦に出場。身長155センチ。血液型=O。