【旬のボートレーサー】田中孝明 長い下積み生活を一気に逆転させたスゴ技

2018年08月22日 10時50分

田中孝明

【今が旬〜このレーサーに乗れ〜】今こそ注目すべきレーサーにスポットを当てる人気企画「今が“旬”~このレーサーに乗れ!~」――。今回は田中孝明(32=福岡・98期)登場だ。デビュー以来“B級暮らし”がほとんどだったが、最近はジワリと成績を上げて初A1昇格も視界に入ってきた。さらに、選手の間で一目置かれる存在となっているようだ。

 今、福岡支部で最もペラのアドバイスを求められる一人だ。オール福岡シリーズだった6月末の芦屋では「みんな同じ叩き方をするので、自分の特徴が出なくなった(笑い)」ほど。

 基本は回転を上げて出足に寄せた舟足に仕上げていく。

「この形にして3年くらいになります。自分の乗り方を考えたときに伸びをつけるより、道中で頑張れるような足じゃないと意味がないと思って。結果的に(高温で回らなくなる)夏場に勝率を稼げるようになった」

 この手法が新型エンジンのキャラクターともマッチ。“ペラがうまい”との評判が定着した。実際に今月初めの一般戦で田中が使用したエンジンを引き継いだ田中信一郎は節間ノーハンマー。1号艇で優出している。

 審査中の19年前期適用勝率は6点前後で推移。A1を狙える位置につけている。この好調の裏にはエンジン出しに加え、ある意識改革があった。

「スタートです。今年から松尾昂明選手に習ってSのやり方を根本的に変えています。技術、メンタルの両方です。これまでは、特に期初めで用心し過ぎてタイミングが遅くなっていた。今は1周1Mの展開が全く違う。バックで前にいるので上位着をキープできる」

 6月のからつ一般戦では1号艇で優出。師匠のキャリア初Vを祝おうと優勝戦当日には前田将太もレース場に駆け付けたが、深川真二の渾身の差しに屈した。

「将太にはバックでの締め方を指摘されたけど、あの日は条件も厳しかった。追い風が強くて、直前のレースではバックで妨害になる事故もあって…。優勝戦はもちろん、準優1号艇も初めて。もちろん悔しかった。でもいい勉強になりました」

 A級昇格に10年近くを要した遅咲きの苦労人。足元を固めることの重要性は熟知している。

「まずは毎回準優に乗ること。必然的に優出回数が増える。そうすればA1も優勝も付いてくると思います」

 その日は意外に近いかもしれない。

☆たなか・たかあき=1986年5月7日生まれ。福岡支部の98期生。2006年5月に芦屋でデビュー。同年11月の若松で水神祭。11年6月のからつで初優出。以来、優出14回も優勝はない。同期には松田祐季、西村拓也、平山智加、松本晶恵、船岡洋一郎らがいる。身長165センチ。血液型=A。