【まるがめボートレース・SGメモリアル=カウントダウンコラム(3)】“真夏のナイタービッグレース戦線”もいよいよ大詰め! まるがめSG第64回メモリアルが21日開幕する。恒例カウントダウン連載「飾れ!俺たちの初陣!!」は今大会がSG初出場の選手を取り上げ、晴れの“デビュー戦”への思い、意気込みを直撃。ラストはとこなめ代表の磯部誠(27=愛知・105期)だ。

 SG未経験者の中に彼の名前があったのは意外だった。過去に一度や二度のSG出場があっても不思議ではない気がしたからだ。というのも、先のまるがめ66周年で優出もしたし、元来、レースぶりに“インパクト”があるタイプだったから。

 すでに同年代はもちろん、後輩たちでも多くのSG経験者がいる。「時間はかかりましたね。遅いと言えば遅いでしょう…。自分が甘かったんだと思います。同世代や下の年代でもとっくに(SGに)行っているヤツはずいぶんいますから。愛知でも岩瀬(裕亮)とかね。実際、今年は10月の蒲郡ダービー出場を最大の目標にしてました(出場確定)。だからメモリアルは予定外ですけど、やはりうれしいです」と素直に喜びを表した。

 だが、その半面、不安も混在している。「記念戦を走り始めて分かったんですけど、SG常連の先輩たちとは技量というか調整力とかテクニックとか、何から何までが、全然違いますからね。かなわない、通用するなんて思っていませんよ」

 とはいえ、ハナから尻尾を巻いているような男ではない。元来がいい意味でインパクトの強い走りをするタイプ。けれん味ない、思い切りのいい豪快なレースがセールスポイントで一発大駆けの魅力にあふれる選手だ。

「水神祭をする、とか具体的な目標は立てていません。そうすると空回りするタイプなんでね。自分も競馬や競輪とかギャンブルをするので、ファンの気持ちは分かってますから。勝負事は目の前の一回一回が勝負! 何とか“悪あがき”はしてやろうって、そう思っています!」と鼻息は荒い。

 晴れの舞台まるがめは「ずっと“大の苦手”だったんですよ…。でも2節前(1月)から変わりました。調整の方向性がつかめたんですよ。(優出した5月の)GIもペラ調整で変わりました。最近は流れがいいです。というより、新型エンジン(通称=黒ホイル)になってペラが当たっているんですよ。レディースCの細川(裕子)さんも良かったでしょ? あれも、僕がもとなんですよ。なもんで今のこの流れなら、ちょっとはやれるかなって」とひそかな自信も口にする。

「とにかく最後まで“悪あがき”はしますよ!」。“一撃必殺の大技”から目が離せなくなった。

☆いそべ・まこと=1990年9月8日生まれ。愛知支部の105期生。2009年11月、とこなめデビュー。水神祭(初勝利)は10年4月の平和島。初優勝は13年2月の蒲郡。12年1月の芦屋新鋭王座決定戦でGI初出場。今年5月のまるがめ66周年記念で初優出(3着)。SGは今大会が初。身長172センチ。血液型=A。