【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】上條ファミリー 以心伝心で受け継ぐ血の進化

2018年08月15日 11時02分

兄・嘉嗣(右)と弟・暢嵩は揃って若手レーサーの決めポーズ“グラッチェ!”

【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】今回は親子&兄弟レーサーという大阪の上條ファミリー(父・信一、長男・嘉嗣、次男・暢嵩)だ!

 艇界の親子鷹はのべ74組。兄弟レーサーも118組。だが、親子&兄弟は非常にレアケースで、3人が現役で走っているのは唯一で過去にも2組しかいない。

 父・信一は全盛期にはGI戦線でも活躍した大阪の名バイプレーヤー。「2人には選手になれと勧めたことはないわ。なるなら弁護士とか高級公務員、医者とかになってほしかったわ」と独特の“上條節”。さらに「ホンマ2人がどんな子供だったとか、小さい時に何をしたとか、何も覚えとらんのよ。ほとんど家におった記憶がないもんな。学校行事とかも行ったことないしな…」と当時を振り返った。

 2008年5月、嘉嗣がデビュー。「昔は今のようなレースを見られる環境もなく、見たのは幼少時に父親をレース場に迎えに行ったときくらい。高校に入って将来を考えた時にレーサーも選択肢としてありかな、と…。父親からのアドバイスは唯一、“やるなら早いほうがいい”というだけ」とレーサーへの道は、まさに“自然のなりゆき”だったようだ。

 4年後の12年5月には暢嵩も続いた。「何もない状態よりは知識があるしいいと思う。ただ選手になる前もなってからも特にアドバイスをもらったことはないし、勧められたこともない。何となく自分が“やってみたいな”って…。もちろんしんどいこともあるけど、今は仕事も充実してきてやりがいを感じてます。プロの世界やし頑張れば頑張っただけ、やればやっただけ形になりますからね」という。

 5期連続A1という弟の活躍について兄は「デビュー当初は意識したが、今は同支部の同じグループの一員という感覚。他の選手と変わらない。一緒に走るならもちろん負けたくないが、走っているのを見ても“頑張れ、頑張れ”と思う程度」。その一方で「弟はここまで順調にきてるかもしれないが、壁にぶつかったときに自分の経験を伝えられたらとは思っている。アドバイスのような偉そうなことではないけど、相談に乗るとかそういう感じで…」と“兄”そして“先輩”としての心構えは常に持っている。

 父・信一は「俺はもういつ辞めるか、だからな」というものの“血”を受け継ぐ兄弟2人の先行きは明るい。近い将来、篠崎元志・仁志を超える“最強ブラザース”となる可能性も十分だ。

◇父・信一(しんいち)1957年9月22日生まれ。大阪支部49期生。81年11月、住之江でデビュー。通算18V。GIは優出1、優勝0。SGは3回出場。同期は西島義則、西山昇一ら。

 ◇兄・嘉嗣(よしつぐ)1989年12月12日生まれ。大阪支部102期生。2008年6月、児島でデビュー。通算1V。同期は前田将太、山田康二、遠藤エミ、樋口由加里ら。

 ◇弟・暢嵩(のぶたか)1994年1月4日生まれ。大阪支部110期生。2012年5月、住之江でデビュー。通算3V。GⅠは16年7月の住之江60周年記念で初出場。同期は三浦敬太、森永隆、村上遼ら。