【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】嶋義信の初優勝を忘れられぬ夜にした後輩のサプライズと師匠の気配り

2018年07月18日 10時00分

【〜仲間たちの絆〜レーサーズ】風貌は多少いかついが人柄は温厚で誠実な嶋義信が、7月10日のとこなめでデビュー初優勝を飾った。嶋を祝福した面々と師匠・中岡正彦が見せた心遣いとは――。とこなめからの帰路にも“仲間たちの絆”があった。

 西日本豪雨の影響が残る10日、香川から参戦の篠原俊夫と小野寺智洋は交通の事情で一足早くレース場を後に。一人で新幹線に乗った嶋に声を掛けたのは、同じとこなめ帰りの田中豪(東京)、細川明人(岡山)、星野太郎(三重)。そこへ偶然、同じ新幹線に乗り合わせた三国(MB大賞)帰りの秋山広一(香川)も加わり、車内で先輩たちによる祝宴が始まった。

「みなさん、ボクの席まで来てくれて“お祝いじゃ~!”って」

 レースが終われば支部も期別も関係なく初優勝を祝う。レーサー同士の絆が垣間見えるワンシーンだ。

 地元に帰った嶋を待っていたのは香川の後輩・近江翔吾(107期)からの電話だった。

「『さて、今夜は何をごちそうしてもらいましょうか~(笑い)』と言いながら近江行きつけの居酒屋に連れていかれて、そこに後輩4人(うち3人は5月デビューの新人)を呼んでお祝いしてくれました」

 新幹線の車内から飲み始めており、この時間帯のことは「かなり酔っ払っていたんで、よく覚えていない」と言う嶋だが「近江がサプライズで用意してくれたオムライスは覚えています!」と声を弾ませる。

 ケチャップで“おめでとう”と書かれたオムライスを、満面の笑みで受け取る嶋の写真も近江が撮影したものだ。

「若いし、稼ぐし、イケメンだし、おまけに独身だからモテる。でも近江は、こんな気遣いもできるヤツなんです」

 既婚で、1月に第2子が誕生したばかりの嶋は「ボクは嫁に、家事や育児を全部押し付けたくないんで」と夫、そして父親としても大活躍中。最近は飲み会に顔を出す回数もめっきり少なくなった。それでもしっかり優勝をチェックし、お祝いの席を設けてくれた近江に感謝するのだ。

 そして、この宴席に師匠・中岡正彦が姿を現さなかった理由は「後輩ばかりの席なら、お前も後輩にドヤ顔したいだろう。オレが行くと気を使わせるから」という優しさからだった。そんな師匠に嶋は「中岡さんは寡黙だけど、間違った選択はしない人です」と信頼を寄せる。嶋の初Vの一夜を彩ったのは先輩、後輩、師匠との絆だった。

☆しま・よしのぶ=1988年9月29日生まれ。香川支部の103期生。2008年11月の児島でデビュー。13年12月の尼崎新鋭リーグで初優出。今月、とこなめ一般戦で5コースまくりの初優勝を飾った。同期に深谷知博、黒井達矢、小野生奈、渡辺和将らがいる。血液型=AB。