川口オート・熊本地震被災地支援「SG第30回全日本選抜オートレース」は10日、優勝戦が行われ、鈴木圭一郎(21=浜松・32期)がゴール直前で青山周平を差す劇的な勝利。史上最年少、デビュー最短記録でのSG初優勝を達成した。

 スタートで先手を取った青山とのデッドヒートは手に汗握る戦いだった。鈴木は内、外を攻め揺さぶるが、青山も動じなかった。気づけば最終周。青山が逃げ切ったかと思われたが、最後の4角で鈴木は青山の内に立ち上がり、渾身の差し。ゴール線直前でわずかにかわし先頭でゴールした。

「走っている最中は隙がなかったし、最後しか狙っていなかった」と勝負時まで冷静だった。「自分はいつも最後は外に行くし(青山が)張ると思ったので逆に内に行った」。その判断がはまった。

 1973年に伊藤力示が記録した24歳27日を上回る21歳10か月11日の最年少、デビュー最短SG優勝も久門徹の4年20日を上回る3年3か月6日と記録を2つ塗り替えた。

「優勝はうれしい」と笑顔を見せた鈴木。表彰式では「満足することなく多く優勝できるよう努力します」とあいさつし、多くの拍手を浴びた。才能豊かなニューヒーローの快進撃はまだまだ続く。