浜松オートのSG「第53回日本選手権」は6日の9~12Rで準決勝戦が行われ、優勝戦に進出するベスト8が決定した。

 V候補両雄と目されていた鈴木圭一郎(26=浜松)と青山周平(36=伊勢崎)の両者が準決勝戦でともに2着。優勝戦の枠番はトップスタートを切るにはやや遠い6、7枠となったことでV戦は混戦模様だ。

 準決勝戦の11Rで終盤、高橋貢(50=伊勢崎)の猛追をこらえ、ゴール前で大接戦となった2着争いを制した鈴木は激闘のキーポイントを問われるとこう語った。「振り返れないぐらいいっぱいいっぱいでした。何回か前を抜こうと仕掛けにいったけど、届く感じではなかったし、後ろから(高橋が)来ていたので焦っていた」と薄氷を踏む思いの優出劇だった。

 車の状態に関する鈴木のコメントは勝っても負けても明解だ。「今の感じでは内に向けても進んでいかないし、さばいて勝てるエンジンではない」。日ごろから勝利の王道として後方からさばいて勝ち切ることを一番の理想に掲げているだけに、もどかしさも抱えている。

 トルク感を求めて、整備でどこまで一変できるか。選手権は過去に2016、17年と連覇している大会だが、昨年は荒尾聡(40=飯塚)と接触して落車。結果的に森且行(47=川口)が制して、3連単57万円台のSG優勝戦史上最高配当を生む一因にもなってしまった。

「去年のことは忘れてチャレンジャーのつもりで頑張ります」。序盤で後方に置かれても、1車ずつさばいて、10周回の長丁場を乗り切る強い気持ちで、3回目の選手権制覇に臨む。