浜松オートのGⅡ「ウィナーズカップ」は10日の12Rで優勝戦が行われ、中村雅人(40=川口)が6周3角で有吉辰也(45=飯塚)をさばいてV。2016年以来、5年ぶり2回目の当タイトル獲得となった。

 1番人気を背負った鈴木圭一郎(26=浜松)は序盤の展開を悪くして追い脚不発で4着。3周回で早々と3番手の好位につけた中村が図ったかのように抜け出して3連単6―4―5は8万円超の大穴決着となった。

 スタートで荒尾聡(40=飯塚)と鈴木に行かれることなく「枠なりに行けたのが良かった」と冷静に勝因を分析した。エンジン状態も良好で、これに自ら好展開を手繰り寄せれば、自然と中村の勝負強さが際立ってくる。2019年3月の山陽GⅠプレミアムカップ以来、約2年半ぶりのタイトル奪取に「(優勝戦に)出ても出ても取れないし、忘れてましたよ」と苦笑いしたのも本心だろう。

 今月から有観客での開催となり「お客さんの前でこうやって勝てるのはホント格別の思いですね」と走路内で行われた表彰式では、場内のファンを見渡しながら喜びを確かめ合うシーンもあった。

 来月3日から浜松で開催されるSG「第53回日本選手権」へ向けても大きな1勝になったはずだ。「選手権はみんなすごいから、どうせこうはいかないでしょう」とは言うものの、鈴木を撃破したことで、オート界最高峰の舞台でもV候補の一角としてクローズアップされることになる。