永井大介「一番うれしいのはファンからの“ありがとう”」

2013年12月31日 20時00分

 2013年オート界のMVPは永井大介(36=船橋)をおいて他にはいない。13年SG3連勝を達成し「スーパースター王座決定戦」(川口オート=31日)を前にして、早くも賞金王を確定させたことが今の充実度を物語っている。直近の5年間で獲得したSGタイトルは11個。すっかり「勝ち癖」をつけてしまった感もある。名誉と大金。すべてを得てしまった今、改めてファンに語りたいことがある。

 13年、「SS王座決定戦」前に行われたSG戦線でV3。そこまで全4戦に優出したのは永井1人しかいない。速攻力を中心とした強烈な決め手に加え、安定感も抜群。何が彼を覚醒させたのか。意外にも本人に“自覚”がないという。

「正直、自分でも何でこんなに勝てたのかよくわかってない。5年前のSS王座で勝った時を含めて、前回3連覇した時はエンジンが超抜だったけど、今回はそんなことない。3回とも僅差の勝利だからね。何なんだろね? こっちが教えてほしいよ」

 今年は初の賞金王獲得とともにランク1位=初のナンバーワン勝負服を手に入れた。オート界の第一人者であり続けた男にとって、遅すぎた2つの勲章にも映る。

「ナンバーワンっていいことばっかじゃないんだな、と今は痛感してますね(笑い)。ずっと守り続けたミツグさん(高橋貢)はやっぱりすごい。2か月たって、自分はまだまだそんな器じゃないと感じることもありますね」

 グランドスラムにナンバーワン奪取、賞金王…。もうこれ以上の名誉と実益はないといえるほど、すべてを手に入れてしまった感もある。円熟期を迎えた彼の心を揺さぶるものは何なのか。

「稼いだ分の税金を払うのも結構、キツイんですよ。逆に税金の支払いがモチベーションになったりもしてる(笑い)」

 1億円を稼ぎ出す男でも、自分自身の1年間の“功績”を改めて客観視することは意外と難しいという。

 あるひとつの単純な声ですべてが救われる時もある。

 永井は言う。「13年はこれだけ勝ててファンの方にいろんな言葉をかけていただいたけど、やっぱり一番うれしいのは“おめでとう”じゃなくて、“ありがとう”なんですよね。そう言われると皆さんの役に立ってるんだな、と実感します。14年もできるだけたくさんのありがとう、を言われることを励みに頑張りますよ」

 ありがとう、のひと言に年収1億円の心を大いに揺さぶるだけの重みがある。

☆ながい・だいすけ=1977年1月23日生まれの36歳。東京都出身。97年船橋でデビュー。2008年の伊勢崎オートGPでSG初制覇。その後、10年の飯塚日本選手権で史上2人目のSG全冠制覇を果たすとともに、10~12年にかけて日本選手権3連覇を達成した。獲得したSGタイトルは11個、総獲得賞金は10億円を超えている。趣味はゴルフ、箱根駅伝観戦など。愛車名はビズビム。身長172センチ、体重50キロ、血液型=O。