12日のゼロワン名古屋大会(愛知・露橋スポーツセンター)で邪道・大仁田厚(59)と“野獣”ボブ・サップ(43)が電流爆破デスマッチで初対決した。紆余曲折を経て実現した異次元マッチは大仁田が勝利を収めたが、サップが一度も被弾することなく、消化不良の結末に…。怒りの邪道は8月に行う米国遠征での一騎打ちを要求だ。

 フラストレーションだけが残る結末だった。満を持して電流爆破バットを手にした大仁田は、怒りを込めてTARU(52)目がけてフルスイング。サップに誇示するように勝利を収めると、英語で「よく聞け。次こそユーを爆破する!」とぶぜんとした表情で叫んだ。

 大仁田VSサップは約14年前に浮上しながら消滅した一戦。元横綱曙(48)が右脚蜂窩織炎(ほうかしきえん)と感染症で欠場になったことを受け、大仁田が代役出場し、6人タッグ戦(大仁田、将軍岡本、アジャ・コングVSサップ、TARU、ジャガー横田)で因縁のサップとの対決にこぎ着けた。

 しかも、直前まで難色を示された爆破マットに引っ張り込んだ。大きな注目を集めたが…開始早々、先に爆破バットを手にしたのはサップ。これを大仁田が巧みに逃げてかわしたものの、皮肉なことにハイライトはこの場面だけだった。

 1発目はTARUが大仁田を爆破し、2発目は大仁田がTARUにお返しして試合は終了。結局、野獣は一度も爆破に絡むことなく夢カードは幕を閉じた。無念の大仁田は「悔しいな。一発も食らわすことができなかったのは長州力の時と同じ。サップがこのリングに上がった勇気は認める。じゃがな、電流爆破はこんなもんじゃない。次は米国で一騎打ちじゃ」と要求した。

 8月5日に全米一危険な団体とされる「CZW」がペンシルベニア州フィラデルフィアで予定する興行で、マット・トレモント(28)と爆破戦を行うことが決定している。そこで「米国でもう1試合やって、サップともここでやる。全米が注目するカードになるな」と決意した。

 これに対し「今日は危険な試合だった」と初の邪道マットを振り返ったサップも「米国で? 素晴らしい考えだ。ミーのホームだからビッグマッチになる」と返答。決着戦は今夏に持ち越されそうな空気になってきた。