17日のゼロワン・後楽園ホール大会で、世界ヘビー級王者・佐藤耕平(37)、UNヘビー級王者・鈴木秀樹(34)、今夏の「火祭り」覇者・崔領二(34)による完全決着方式の3WAYマッチが行われ、崔が現役チャンピオン2人を立て続けに撃破した。これで団体のトップに立ったはずだったが、試合後にはTARU(50)を呼び込み共闘を宣言。火祭り刀保持者が衝撃の悪党転向を果たした。

 この試合形式は2日の新木場大会のタッグマッチ(崔、TARU組対佐藤、鈴木組)で鈴木からフォールを奪った崔が提案したもの。現役チャンピオン2人が“丸腰”の男に負けたのだから、受け入れないわけにいかなかった。

 試合は序盤、崔が場外に排除されて、王者2人のシングルマッチの様相に。会場も火祭り優勝から不可解な言動を繰り返す崔に、「出て行け!」とばかりにブーイングを浴びせ続ける。だが、鈴木が必殺の人間風車を放ったところで、崔がカット。そのまま、佐藤にシドマスを決め、まんまと失格に追い込んだ。鈴木との一騎打ちでは裸絞めで失神寸前まで追い込まれたが、雪崩式ブレーンバスターで相手の動きを止めると、最後は「那智の滝」(ダイビングフットスタンプ)で3カウントを強奪した。

 会場の「帰れコール」を浴びながらマイクを取った崔は、TARUを呼び込み極悪軍団「ブードゥー・マーダーズ」との共闘を示唆。佐藤からシングルマッチを求められるも無視を決め込んだ。

 控室では「俺は自分で興行もやってるし、W―1にも出てる。これはヒール転向表明とはちゃう。この腐った会社を変えていく表明。この団体出されても食えていけんねん」とまくし立てると、佐藤の要求にも「絶対やらへん」と言い放ち会場を後に。TARUも「あいつは金になる男や」と不気味な笑みを浮かべた。

「火祭り」は故橋本真也さんが提唱した伝統のリーグ戦。その覇者が世界ベルト挑戦権を放棄し、ゼロワン批判を繰り広げるとは…。一体どこへ向かう気なのだろうか?