【ウィスコンシン州グリーンベイ6日(日本時間7日)発】WWEのスマックダウン(SD)大会が行われ、“ロックスター”中邑真輔(38)の祭典前哨戦が決まった。SD11日のPPV大会「ファストレーン」(オハイオ州コロンバス)で“ブルガリアの怪人”こと元US王者のルセフ(32)と激突する。

 中邑は祭典「レッスルマニア34」(4月8日、ルイジアナ州ニューオーリンズ)で最大のライバル・AJスタイルズ(40)のWWE王座に挑戦する。「ファストレーン」のカードは未定だったが、先週のSD大会でルセフの配下、エイデン・イングリッシュ(30)をキンシャサ・ニー・ストライク(ボマイェ)でKOしたことで、思わぬ遺恨が生じた。

 イングリッシュは、ルセフの入場時に「♪毎日がルセフの日~」とヨーデル歌手級の美声で歌い会場を盛り上げてきた。この日は中邑がインタビューを受けていると、首に包帯を巻いたイングリッシュを伴い、ルセフが文句をつけてきた。

「さあ、どうしてくれるのだ。貴様のヒザで彼のノドは潰れ、歌えなくなったのだ。彼の美しい歌を失った私は、ピアノを失ったビリー・ジョエルのようなものだ。ファストレーンでは私と戦え。彼と同じ苦しみを与えてやるのだ」とブルガリアの怪人はかなりずうずうしい言葉で対戦を要求した。

 それでも中邑は動じない。「♪ファストレーンは~ナカム~ラの日になるんだぜ~」とイングリッシュのものまねで歌いながら応じたからビックリだ。ルセフは怒りの表情で、全身をたぎらせながらフレームアウトする中邑の背中をにらみつけるのみだった。

 とはいえルセフもUS王座を2度戴冠している実力者。AJ戦ばかりに気を取られていると足をすくわれかねない。「祭典もAJの顔面にヒザを叩き込んで勝つ!」と断言した中邑。万全を期して夢の一戦に向かう。