【テキサス州ヒューストン19日(日本時間20日)発】中邑は無念の脱落——。WWEのPPV大会「サバイバーシリーズ」(19日、テキサス州ヒューストン)メーンで行われたロウとスマックダウン(SD)の全面対抗戦5対5イリミネーションマッチは2人残りでロウ軍が勝利。“ロックスター”中邑真輔(37)は10選手中、最初に脱落するまさかの展開となった。

 ロウ軍は極悪権力者のトリプルH(48)、カート・アングルGM(48)、ブラウン・ストローマン(34)、サモア・ジョー(38)、フィン・ベイラー(36)の豪華な布陣。対するSD軍は中邑、シェーン・マクマホン・コミッショナー(47)、ジョン・シナ(40)、ランディ・オートン(37)、ボビー・ルード(40)という最強メンバーだ。

 先陣を切ったのはカートとシェーン。開始2分、ベイラーが登場すると中邑がリングイン。独特のムーブで幻惑する。するとすぐさまトリプルHが自ら交代を要求し、ロックスターと極悪権力者の夢対決が実現した。中邑はひるむことなく蹴りを叩き込んで大歓声を浴びる。
 
 その後はめまぐるしくメンバーが交代。中邑はカート、ジョー、ベイラー、トリプルHにハイキックを叩き込み、“巨獣”ストローマンにジャンピングカラテキックを放つも、すぐさまパワースラムを決められて大の字に。無念の3カウントを奪われ、最初の脱落者となってしまった。

 その後は両軍一進一退の攻防が続く。16分が経過して3対3の状況になると、スピーディーな展開となる。まずカートがシナをアングルスラムで脱落させると、オートンはRKOでベイラーを葬る。しかしここでSDの嫌われ者ケビン・オーエンズ&サミ・ゼインが乱入。ここはシェーンがイス攻撃で謀反軍を蹴散らした。

 しかしその間にオートンが巨獣のパワースラムに沈没。SD軍はシェーン1人となりカート、トリプルH、ストローマンとの1対3になってしまう。鬼の形相でカートがアングルスラムからアングルロック。ギブアップ寸前となるや、まさかの光景が起きた。

 トリプルHが何と自軍のカートにぺディグリー一閃。シェーンのフォールをアシストしたのだ。やはり復帰はカートつぶしのためだったのか…そのまま握手してストローマンを裏切ると思いきや、身を反転してシェーンに強烈なぺディグリーで最後の1人をフォール。ロウ軍に勝利をもたらした。しかし手柄を奪われ巨獣はトリプルHに激怒。最後はパワースラム連打でKOしてしまった。

 試合は33分25秒、2人残りでロウ軍が勝ったものの、ストローマン以外は全員が「敗者」という異常事態に。完全決着戦は混沌のうちに幕を閉じた。大会全体ではロウ軍が4勝3敗で勝ち越したが、両軍にはダメージと遺恨だけが残る結果となった。