【メリーランド州ボルティモア30日(日本時間31日)発】WWE・ロウが崩壊の危機を迎えた。先週の大会でスマックダウン(SD)軍の襲撃を受けて深刻なダメージを負ったロウ軍。全面対抗戦となるPPV「サバイバーシリーズ」(19日、テキサス州ヒューストン)へ向けて結束を固めるかと思いきや、事態は真逆の方向へ動き始めた。

 大会前、カート・アングルGM(48)が所属選手を集め「今こそボクたち全員が団結する時だよ!」と演説している最中だった。久々にステファニー・マクマホン・コミッショナー(41)が登場。兄シェーン・マクマホン・コミッショナー(47)率いるSD軍の乱入を防げなかったとしてカートを糾弾した。「大恥をかかされたわ。25年間もかけて築き上げたロウの名前を、アンタはたったの25分で台無しにしたのよ。対抗戦で結果を残さなければクビよ!」。突然の通達には「TLC」で約11年ぶりの劇的復活を遂げたカートも真っ青だ。事態はここから混乱の一途をたどる。

 カートが頭を抱えていると、どこから入ったのか敵軍のダニエル・ブライアンGMが登場。“和平会談”をするために来場した旨を伝えるが、SD軍の再襲撃におびえるカートは応じない。しかも会談を拒否されたブライアンは“赤い悪魔”ケインに襲われ、救急車で運ばれてしまった。ややこしいことにケインはこの後、ロウタッグ王者でザ・シールドのセス・ロリンズとの一騎打ちを制するや、セコンドのディーン・アンブロスもまとめて墓石落としで蹴散らしてしまう。ダメ押しするかのように“巨獣”ブラウン・ストローマンは、IC王者のザ・ミズとその一派をパワースラムでKO。対抗戦どころか内部抗争すら鎮火しないのだから、話にならない。

 さらに“策略女王”ことロウ女子王者のアレクサ・ブリスは、カートに反体制派女子選手(アスカか?)を密告して、火に油を注ぐ始末…。対抗戦へ一致団結しているSD軍とは雲泥の差だ。カートは「対抗戦はボクらが勝つ。ホントにホントだぜ!」と叫んだが現状は厳しい。決戦まであと18日。ロウ軍は空中分解したまま、運命のゴングを迎えるのか――。