【ネバダ州ラスベガス12日(日本時間13日)発】WWE史上初の女子トーナメント「メイ・ヤング・クラシック」の決勝戦が当地のトーマス&マックセンターで開催され、カイリ・セイン(28=宝城カイリ)がシェイナ・ベイズラー(37)を下して優勝した。

 純白のコスチュームに身を包んだカイリが、世界最高峰の舞台で躍動した。相手のベイズラーはMMAをバックグラウンドに持ち、2月にはスターダムの紫雷イオ(28)が保持していたワールド・オブ・スターダム王座にも挑戦した強豪だ。

 それでも「MMAで活躍したかもしれないけど、それは関係ない」と話していたカイリは、試合前から落ち着いていた。ファンの反応を確かめるように笑みを浮かべながらリングンインすると、右ヒジを突き出して相手を挑発する余裕もあった。

 先に仕掛けたのはベイズラー。MMA仕込みのサブミッションを繰り出し、主導権を握った。さらにカウンターの右ハイがカイリの左側頭部付近に命中し、場外まで吹っ飛ばされた。その後は右ヒジを執拗に狙われ、苦しい時間帯が続く。

 それでもカイリは怒とうのマシンガンチョップで自分に気合を入れると、ここから反撃に移った。3発目のスピアーをようやく成功させると、串刺しのスピアー、カカト落としで畳みかける。だが、その後が続かない。

 行進ポーズからのスライディングDはかわされ、必殺のダイビングエルボーを狙うも、胴締めスリーパーにつかまり、この試合最大のピンチを迎えた。

 意識が遠のきながらも、これを何とか脱出すると、10分過ぎに放ったカウンターの裏拳が見事に命中。コーナーポスト上での攻防を制すと、相手の腹部目がけて串刺しのスライディングDを放つ。即座にこの試合3発目のダイビングエルボーを成功させ、3カウントを奪取した。

 最高責任者のトリプルH(48)から花束を贈呈されたカイリは天を見上げ、歓喜の涙。スターダムを退団し、6月にWWEに移籍したカイリが世界の強豪32選手が集結したトーナメントで頂点に立った。