世界最大のプロレス団体WWEが開催中の「クルーザー級クラシックトーナメント」(CWC)でベスト4に進出した飯伏幸太(34=飯伏プロレス研究所)が12日、トーナメント制覇への思いを明かした。飯伏はこの日、14日(日本時間15日=フロリダ州オーランド)の準決勝&決勝大会に出場するため、決戦地へ出発。頂点が目前に迫ったゴールデンスターを突き動かす2人の男とは――。

 全32選手参加のトーナメントを順調に勝ち抜いた飯伏は、準決勝でTJパーキンス(32)と激突。勝てばグラン・メタリック(マスカラ・ドラダ=27)対ザック・セイバーjr.(29)の勝者と決勝戦で激突する。

「TJはロス道場出身だし、スタイルがかみ合うんじゃないかな。決勝戦? 願望としてはドラダかな。スーパージュニア(2011年大会)でも戦ってるし、仲もいいですし。なぜか『キョーダイ』と呼んでくるんですよ」と目を輝かせた。

 世界最大団体での初タイトル獲得に向け、発奮材料もあった。今年2月に退団した古巣・新日プロで活躍するケニー・オメガ(32)と内藤哲也(34)の存在だ。かつての盟友・ケニーは今夏のG1クライマックスを制して、同い年のライバル・内藤は4月にIWGP王座を初戴冠。ともに今年大きな飛躍を遂げた。

 ケニーと内藤は8月13日両国大会のG1公式戦で壮絶な死闘を展開。飯伏はこの試合を会場で観戦していた。「ケニーにも刺激を受けたし、内藤哲也にも刺激を受けた。2人とも上に行かれたなって。だから自分がまた上に行かないと。優勝するしかなくなりましたね。次は自分が頑張る番」とCWC制覇への誓いを新たにしたという。

 驚異的な社会性のなさから、米国での単独行動能力が疑問視されていた飯伏だが、試合ごとに渡米する単発参戦スタイルに助けられ、何とかここまできた。「一つ分かったのは、飛行機には(1人で)乗れるし、苦じゃない。ただ時差のあるまま試合をするのはキツいっすね」と、最後の力を振り絞るように渡米。今後の予定は白紙だが、WWEとはトーナメントのみの契約と見られている。「優勝したら? 本当に考えてないんですけど、いずれは日本のプロレス界に還元したい」

“世界のイブシ”となって帰ってくることを誓い、ゴールデンスターは機上の人となった。