WWEのNXT・UK女子王者で〝ファイナルボス〟こと里村明衣子(42)が暗闇マッチの死闘を制し、8度目の防衛に成功した。

 挑戦者の〝現代の魔女〟アイラ・ドーンは3月末のV7戦で破ったが、ベルトを持ち逃げされた上に屈辱の毒霧噴射を受けていた。配信されたNXT・UKでは、怨敵と暗闇の中で反則OKのルールで戦う「ワールド・オブ・ダークネス・マッチ」で遺恨決着となった。

 自身初となる暗闇マッチ。里村はいきなりゴング前からエルボーを打ち込み、奇襲をかけた。ゴングが鳴ると、キックの連打で先制したが、アイラは場外戦で逆襲。リング下からパイプイスと〝魔女〟らしくホウキを持ち出し、不気味な笑みを浮かべた。

 さらにひざまずいて両手を広げると、どこからともなく煙が…。引退した〝怪人〟アンダーテイカーをほうふつとさせる心理作戦で勢いづき、場外バックドロップで王者を叩きつけると、持参した小箱から〝戦利品〟の髪の毛を取り出し、里村の口を締め上げた。

 王者はキックの連打からニールキック、ハイキックと反撃したが、イス攻撃を食らってペースを奪い返せない。場外戦で鉄柱に打ちつけられると、ロープで鉄柱に両手を縛りつけられた。動けないところに、極太ロープを口に巻きつけられる屈辱も味わった。

 それでも何とか脱出し、アイラのダブルニーを鉄階段に誤爆させて一気に形勢逆転。リング下から竹刀を取り出すと、怒りの4連打だ。さらにリング上でDDT、側転ニードロップから再び竹刀でめった打ちにした。

 しぶといアイラはタランチュラで反撃すると、コーナーから勝負をかけたダイビングダブルニー弾。王者はパイプイスに叩きつけられたが、執念で3カウントを許さず。続けてリング中央に設置したイスめがけてオースイスープレックスを狙われるも、これを切り返してデスバレーボムでイスに打ちつけた。最後はイスを踏み台にして必殺のスコーピオライジング(変型カカト落とし)がさく裂。会心の一撃にガッツポーズを見せ、そのまま3カウントを奪った。

 暗闇の死闘から生還した里村は自身のツイッターに、防衛成功を伝えるNXT・UKの投稿を引用し「どうもありがとう。いつも新しい経験から刺激を受けている」と記した。UK女子王座を奪ってから11か月。王者は英国で長期政権を築きながら、さらなる進化を遂げている。