【テキサス州ダラス3日(日本時間4日)発】WWEのプロレスの祭典「レッスルマニア38(WM)」(AT&Tスタジアム)2日目、WWE入りした東京五輪レスリングフリー125キロ級金メダルのゲイブル・スティーブソン(21)が、リング上で初めてそのポテンシャルの高さを披露した。

 昨夏の東京五輪を制した後、9月にWWEと契約。祭典初日にはステファニー・マクマホンから紹介されたが、この日はリングサイド最前列で兄のデーモン・ケンプとともに試合を観戦した。ロウタッグ王座3WAY戦でRKブロが王座防衛を果たすと、対戦相手だったストリート・プロフィッツにリング内に呼びこまれた。王者組とともに乾杯しようということだったが、スティーブソンは快諾してリングに上がった。

 乾杯用のコップを手にしたところ、ここで王座戦に出場していたチャド・ゲイブルがリングに入り、スティーブソンのコップをたたき落とした。怒りのスティーブソンはTシャツを脱いで上半身裸に。胸に入れられたライオンとクマのタトゥーが強烈だ。ここで〝毒蛇〟ランディ・オートンら先輩4人は「お手並み拝見」とばかりに場外に退避し、スティーブソンを見守った。

 金メダリストはゲイブルからマイクで挑発されると、ゲイブルの体を両腕でロックして持ち上げた。さらにそのまま、後方へ豪快に投げ飛ばしてみせた。ゲイブルの体が空中高く吹っ飛ぶ、驚異のフロントスープレックス。金メダリストの実力は本物だ。スティーブソンはドヤ顔で大観衆にアピールすると、RKブロとストリート・プロフィッツの4人に加わって乾杯した。
 
 その後のインタビューでは「夢がかなったよ」と感慨深げな表情。驚異的な身体能力とレスリングセンスで五輪を制した超大型ルーキーが、WWEスーパースターとしての一歩を踏み出した。