【カリフォルニア州サンタクララ29日(日本時間30日)発】当地のリーバイス・スタジアムでWWE年間最大の祭典「レッスルマニア31」が開催され、7万6976人の大観衆を熱狂の渦に巻き込んだ。

 メーンではWWE世界ヘビー級王者の“怪物”ブロック・レスナーが王座転落。まさかの結末に7万人を超える大観衆が総立ちになった。レスナー対ローマン・レインズのWWE世界ヘビー級戦は、セス・ロリンズが乱入してマネー・イン・ザ・バンク(MITB)で得た挑戦権を行使。急きょ3WAY戦に変更させ、まんまと王座を奪取してしまった。

 前半はスリルに満ちた展開だった。次代のエースとして期待がかかるレインズが、積極的に攻める。ジャーマンから必殺のF5を食らっても立ち上がり、場外の鉄柱攻撃では難攻不落の王者を血ダルマにした。スピアー連打で逆転勝利が目前となった10分過ぎ、まさかの光景が訪れる。

 この日、ランディ・オートンに負けたはずのロリンズがブリーフケースを手にリングイン。MITBで得た権利を使って「キャッシュ・イン」(いつでもどこでも挑戦可能)を宣言したのだ。激闘を展開していた2人に冷水を浴びせるかのように、3WAY戦への変更がアナウンスされた。祭典でのキャッシュ・インなど前例がない。ロリンズは戸惑う王者の背中にカーブストンプの連打。それでもレスナーは野獣のような雄たけびを上げると、ロリンズを担ぎ上げてF5の体勢に入った。

 ここで蘇生したレインズがスピアーを決めて3人が大の字に。しかし計算高いロリンズは、よりダメージの深かったレインズにカーブストンプ一撃。レスナーにカットする余力はなく、ルールを巧みに操ったロリンズが“漁夫の利”で王座を奪った。

 敗れることなく王座から転落したレスナーは大荒れ。ロリンズに制裁を加える意思を明かしており、今後に大きな遺恨を残す幕切れとなった。