2大会の中心はズバリ女子です! 米WWEの“海賊姫”カイリ・セイン(32)がプロレスの祭典「レッスルマニア(WM)37」(10、11日=日本時間11、12日、フロリダ州タンパ)を徹底分析だ。最大の注目を女子2大王座戦とした上で、元パートナーの“女帝”ことロウ女子王者アスカ(39)はもちろん、“同期”の挑戦者2人を猛プッシュ。またユニバーサル王座戦の行方は――。

 ――いよいよWMが目前に迫った

 カイリ 私がまず注目するのはスマックダウン女子王座戦(王者サーシャ・バンクス対ビアンカ・ブレア)、ロウ女子王座戦(王者アスカ対リア・リプリー)の2カードです。今WWEにはNXTを含めるとかなりの人数の女子がいて、数年前から女子の革命「ウーマンズ・レボリューション」をやってきてレベルがすごく上がってきました。その中で選ばれた4人なのでぜひ見てほしいです。

 ――見どころは

 カイリ アスカさんはもちろんですけど、王座に挑戦するビアンカとリアです。2人とも、私とほぼ同期なんですよ。ビアンカとは2017年の「メイ・ヤング・クラシック」2回戦で対戦しました。身体能力がズバぬけていたんですけど、一番驚いたのは気持ちの部分ですね。私に負けた後、裏で大泣きしていて、あれほど負けを悔しがる選手を目の当たりにしたのが初めてだったので驚きました。今回も彼女の「心」の強さに注目してほしいです。

 ――リアについては

 カイリ 彼女は今大活躍している選手ですが、実は入団して1年くらいテレビに出られない時があったんです。きれいで背も高く能力もあるのに、スポットライトを浴びれない期間が長くて、彼女が本気で悩んでいたのを知っている。将来について相談を受けたこともありました。それを知っているからこそ、今の活躍がすごくうれしいし、心からプロレスを楽しんでいる姿は本当に魅力的です。

 ――ではアスカとの一戦は複雑なのでは

 カイリ そうですね。でも楽しみですよ。アスカさんは相手の良さを引き出した上で試合を盛り上げて勝つ選手なので。急きょ決まったカードですけど、WMの中でもベストバウト級の試合をしてくれると思います。それくらい2人の気持ちも能力も高いので。

 ――男子の注目は

 カイリ やはりユニバーサル王座トリプルスレッド戦ですね。これはもうエモーショナルだし、一番感動的な試合になりそうな予感がします。王者ローマン・レインズは今年ヒールになって、どんどん新しい姿を見せてくれましたし。ロイヤルランブルを制して臨むエッジはレジェンドと言われている存在ですけど、今回は過去と現在を見せつつ未来を占う試合になると思います。ダニエル・ブライアンは「これが最後のWM、集大成だ」と言っている。それこそ三者三様の生きざまのぶつかり合いになると思います。あとは“ザ・フィーンド(悪魔)”ブレイ・ワイアット対ランディ・オートンでしょう!

 ――やはり外せない

 カイリ また違う楽しみですよね。エンターテインメントの極みと言いますか。想像以上のことをしてこないわけがない。これは期待をかなり高く持っちゃっていいんじゃないかと思いますよ。

 ――自身も日本語実況版でゲスト解説を務める

 カイリ ファンの方には分かりやすく、選手の気持ちの面を代弁できたらいいですね。伝わりにくいバックステージでの人柄とかを伝えて、もっと楽しんでもらえるようにやりたいです。どの試合も絶対に面白いのは間違いないので、一緒に楽しみましょう!