【フロリダ州オーランド22日(日本時間23日)発】WWEのロウとスマックダウンの全面対抗戦となるPPV大会「サバイバー・シリーズ」が配信され、4月の「レッスルマニア36」を最後に引退を表明していた〝怪人〟ジ・アンダーテイカーの引退式(ファイナル・フェアウェル)が行われた。

 式典にはシェーン・マクマホン(50)、ビッグ・ショー(48)、JBL(50)、ザ・ゴッドファーザー(59)、ミック・フォーリー(55)、ザビオ・ベガ(56)、リキシ(55)、ジェフ・ハーディー(42)、ケビン・ナッシュ(61)、ブッカーT(55)、〝HB〟ショーン・マイケルズ(55)、〝狂乱の貴公子〟リック・フレアー(71)、トリプルH(51)、〝破壊兄弟〟の弟ケインら、殿堂入りも果たしたかつてのライバルやレジェンドが駆けつけた。

 往年の名選手がそろうと鐘の音が鳴らされ、アンダーテイカーの30年の歴史を振り返るVTRタイタントロン(大型ビジョン)が上映された。その後にビンス・マクマホン会長(75)が涙交じりの声で「今夜、我々は彼にさようならを告げなければならない。しかし彼の功績は永遠に不滅だ」と紹介すると、場内には火柱が立ち、鐘の音と同時にデッドマンがゆっくりと入場した。

「サンキュー・テイカ―!」のコールを背に、怪人はマイクを持つや「30年もこのリング上をゆっくり歩き続け、何人もの相手を葬ってきた。俺の時代は終わった。ジ・アンダーテイカーよ、安らかに眠れ…」とスピーチ。リングにヒザをつくとタイタントロンに浮かぶかつてのマネジャー、ポール・ベアラー(故人)の幻影を見上げつつ、静かに目を閉じた。

 怪人はゆっくり立ち上がると、場内を見渡して首をかっ切るポーズを決め、10カウントゴングを聞いた後に花道を引き揚げた。WWEの歴史に深くその名を刻み込んだ希代の名レスラーは、鮮やかに自らのキャリアに幕を引いた。