【フロリダ州オーランド25日(日本時間26日)発】WWEのPPV大会「ヘル・イン・ア・セル」が行われ、注目のスマックダウン(SD)女子王座戦は〝ザ・ボス〟ことサーシャ・バンクス(28)が王者のベイリー(31)を撃破して新王者となった。

 かつては固い友情で結ばれてWWE女子タッグ王座を保持していた親友2人が、様々な遺恨を経て実現した一騎打ち。赤い天井付き鉄檻の中で先手を取ったのは、サーシャだった。イスを手にした王者にタックルを見舞うと、いきなり必殺のバンク・ステートメントで絞め上げる。

 しかしサーシャの戦い方を熟知するベイリーは鉄檻に叩きつけると、竹刀を持ち出して殴打。だが完全に鬼のモードに入ってしまったサーシャは、机をリング下から持ち出して場外にセット。ここは王者が耐えてテーブル葬は避けたものの、テーブルで鉄檻に叩きつけられ、鮮やかなメテオラを決められてしまう。

 リングに戻った挑戦者は追撃のメテオラ弾。王者のイス攻撃も寸前でかわすと、再度の場外メテオラ弾で鉄檻に叩きつけた。すぐさまエプロンからのフランケン、ドロップキックを決め、エプロンと鉄檻のわずかな空間を利用した攻撃で優位に立った。

 さらには階段と鉄檻の間に竹刀を2本セット。脳天砕きを狙うも、ここはベイリーが耐えて、逆にサーシャの顔面を竹刀の束に直撃させた。しかしエプロンでの攻防を制した挑戦者が鉄檻へパワーボム。ベイリーの首をイスにねじ込むも、試合巧者の王者は巧みにすり抜けて、イスへ顔面を直撃させた。

 ここでベイリーが一気に反撃。コーナーにイスをセットしてのサンセットパワーボム。すぐさま必殺のフライングエルボードロップを見舞う。しかしサーシャもバックスタバーから正調式バンク・ステートメント。ここは王者が必死に場外へ逃げた。

 もはや持久戦の様相を呈した15分過ぎ、ベイリーはガムテープで竹刀をエプロンと鉄檻間に固定する。ところがここでサーシャがまさかの消火器噴射! 白煙で視界を失った王者を場外で完全にダウンさせてしまう。

 勝負と見たサーシャは竹刀で王者をメッタ打ちにすると、最上段からフロッグスプラッシュを見舞うも、王者はイスを体の上に敷いて防御。この一撃でサーシャは逆に深刻なダメージを負った。

 執念深いベイリーはラダーを投入。イスの間にラダーをセットすると、そのままリフトアップしてサーシャを顔面から投げ捨てた。ラダーに挑戦者を乗せてイス攻撃を狙うも、逆にサーシャはラダーを踏み台にメテオラ弾。さらにはラダー上に裏投げで王者を叩きつける。

 ここで王者がベイリー・トゥ・ベリー(フロントスープレックス)から背中をイスで乱打。しかしこの危機を脱したサーシャは、イスを首に絡めてのバンク・ステートメント。さすがの王者もたまらずタップして王座交代となった。

 倒れた元相棒を踏みつけながらサーシャはベルトを高々と誇示。元親友対決は26分超の壮絶な試合の末、ひとまずの決着を見た。