配信されたWWE・NXT大会で空位となったNXT王座決定戦が行われ、元新日本プロレスのプリンス・デヴィットことフィン・ベイラー(39)がアダム・コール(31)を撃破して新王者となった。

 先週大会ではジョニー・ガルガノ(33)、トマソ・チャンバ(35)を加えた史上初の4WAY60分アイアンマン戦で決定戦が行われるも、ベイラーとコールが2勝を挙げた時点で60分タイムアップ。ウィリアム・リーガル(52)の裁定により、この日の決定戦が決まっていた。

 お互いがかつての日本のリングで活躍した同士の決定戦。試合はじっくりとしたグラウンド戦の後、コールがエルボーから変型シュミット式背骨折りで突破口を開く。しかしベイラーもスタンド、飛び込み式とエルボーで反撃。スーパーキックで主導権を奪い返した。

 ベイラーはすかさずコーナーに詰めると逆水平の連打を見舞う。それでもコールはラリアートから顔面への二段蹴り、強烈なバックスタバーで食い下がる。スリングブレイドにも耐えるとラストショット(閃光魔術弾)で形勢を五分に戻した。

 ここでコールはヒザのサポーターを外してトドメのラストショットを狙うも、逆にベイラーがヒザへキック。場外戦で流れを引き戻すと一気にクー・デ・グラ(ダイビングスタンプ)へ。しかしこれを寸前でかわしたコールは得意の足4の字固めを決める。

 何とか逃れたベイラーは最後の力を振り絞ってスリングブレイドからジョン・ウー。必殺のクー・デ・グラを完璧に決めるも、コールは驚異の粘りを見せカウント2・9で返すと、再度の足4の字固めで捕獲する。

 ここもロープに逃れたベイラーは、後頭部へのラストショットに耐えるとリバースブラディ弾(DDT)から最後はロープ最上段から驚異の雪崩式1916(ブラディ・サンデー)で3カウントを奪取。メジャー昇格前のNXT時代、2015年7月4日両国国技館の日本公演で獲得して以来、実に約5年ぶり2度目のNXT王座奪取となった。

 初代WWEユニバーサル王座、インターコンチネンタル王座などメジャー王座も獲得している実力者の戴冠にNXTを統括するトリプルH(52)、リーガルGMら幹部陣も祝福。ベイラーは「新NXT王者フィン・ベイラーはここにいるぜ」と胸を張ってベルトを掲げた。

 かつての盟友でライバルの〝黒いロックスター〟中邑真輔(40)は現在、セザーロ(39)とスマックダウンタッグ王座を保持しており、来週のロウ大会ではロウタッグ王者のストリート・プロフィッツ(モンテス・フォード&アンジェロ・ドーキンス)とタッグ王者対決に臨む。また1人「日本出身選手」が快挙を果たした。