【フロリダ州オーランド31日(日本時間1日)発】WWEのロウ大会が開催され、〝女帝〟ことロウ女子王者アスカ(38=華名)への挑戦候補者が一気に倍増。〝女帝包囲網〟が完成した。

 前夜のPPV大会「ペイバック」で出番がなかったアスカは第1試合後に登場。堂々たるパフォーマンスを見せた。

「ワイがチャンピオンじゃ。誰でもかかってこいや! いつでも準備はできとんのじゃ。ベッキー・リンチ、ベイリー、サーシャ・バンクス、ナイア・ジャックスに勝っとんのやぞ。誰もアスカ様にはかなわんのじゃ!」

 するとここで6度の女子王座戴冠を誇るミッキー・ジェームス(41)、元ルセフの妻ラナ(35)を従えた実力者のナタリア(38)ら、これまで王座戦線から離れていたベテラン勢がリングインする。ミッキーは、WWEで女子王座を過去6度獲得、TNA移籍から復帰した2016年にはアスカが当時保持していたNXT女子に挑戦している。

 ミッキーは「アスカ強くなったわね。私の挑戦を受けてくれない?」と表明。するとカナダの名門ナイドハード家出身のナタリアは「ちょっとごめんなさい。悪いけどあなたにその資格はあるのかしら? WWE女子部門の実質的なリーダーは私なのよ」とスピーチをさえぎった。

 キレたアスカは「何ごちゃごちゃぬかしとんねん。おまえら黙れや、準備はできとんのじゃ。誰とでもやったるわ!」と叫ぶやミッキーにバズソーキック、ナタリアをヒップアタックで場外に突き落とす。この流れを受けてナタリア対ミッキーのシングルマッチが実現した。

 試合は卓越する関節技技術を誇るナタリアが優位に試合を進める。必殺のシャープシューター(サソリ固め)から何とか逃れたミッキーは、一瞬の隙をつき、顔面へミック・キック(ジャンピング二段蹴り)一撃で逆転の3カウントを奪った。実力者のナタリアを撃破したことで、大ベテランが次期挑戦者候補に急浮上した。

 しかもリングに上がる前、アスカは「ペイバック」でベイリー(31)、サーシャ・バンクス(28)からWWE女子タッグ王座を奪ったザ・ロック様こと超人気俳優ドウェイン・ジョンソン(48)のいとこでWWE一の大女ナイア・ジャックス(35)、元NXT女子王者で〝スペードの女王〟ことシェイナ・ベイズラー(40)組にケンカを売られ、ナイアに強烈なビンタをかましている。2人との遺恨が深まった上、スマックダウン女子王者のベイリー、サーシャも王座挑戦のチャンスを虎視眈々と狙っているのは間違いない。

 第5試合では次期WWE女子タッグ王者挑戦者決定戦〝負ければ解散マッチ〟が行われ、復縁したネオパンク女子集団ライオット・スクワッド(RS)のルビー・ライオット、(29)リブ・モーガン(26)が騒音美女集団アイコニックス(ビリー・ケイ=31、ペイトン・ロイス=27)を撃破。挑戦権を得て、アイコニックスは解散となった。

 RSが王座奪取となればシングル王座にも触手を伸ばしてくることは間違いなく、実力はさておいてアイコニックスもシングル選手の道を強いられることになった。 

 この日、登場した女子選手はアスカを除いて実に9人。もはや女帝は全員の標的となってしまった。