【フロリダ州オーランド23日(日本時間24日)発】WWE真夏の祭典「サマースラム」が開催され、WWEユニバーサル王座戦は〝ザ・フィーンド(悪魔)〟ことブレイ・ワイアット(33)が、〝巨獣〟ことブラウン・ストローマン(36)を撃破して新王者となった。

 両者は7月19日「エクストリーム・ルールズ」のスワンプ・ファイト(沼地戦)で激突。この時は素顔のワイアットがストローマンを沼奥に沈めている。

 ゴングと同時に突進する巨獣。しかし悪魔は沼の奥底の邪悪な生物のような不気味な笑い声を上げる。チョークスラムで投げられると巨獣はたまらずリング下へ逃げた。

 ワイアットはリング下の工具箱で巨獣の頭を痛打するが、ストローマンも普通の試合になるとは最初から思っていない。実況席に叩きつけ、スチール製階段で殴り返す。リングに戻るとパワースラムで悪魔の動きを止めた。

 その後に戦場はバックステージへ。薄い照明で巨獣を痛めつけたワイアットは、ステージの巨大スクリーンまで凶器に使用する。さらに通路でマンディブルクロー。何とかリングに戻ったストローマンは、再度のパワースラムで悪魔をダウンさせる。

 覚悟を決めたような表情で工具箱から業務用カッターを取り出したストローマンは、何とマットを切り裂いてリングの板をムキ出しにする。悪魔を完全に葬るべくフィニッシュを狙う覚悟だ。騒然とする場内。しかし蘇生した悪魔が逆に板の上へチョークスラムからシスター・アビゲイル2連打。完璧な3カウントを奪って王座を奪還した。

 ここで予想外のハプニングが起きた。4月から欠場を続けてきたエースの〝大型犬〟ことローマン・レインズ(35)が嵐のようにリングイン。たくましく日焼けしたレインズは馬乗りになって悪魔にパンチの連打を放つと、場外のストローマンにもスピアーとイス攻撃を見舞った。

 大型犬はリングに戻ると、もはや戦闘不能の新王者に強烈なスピアー一撃。かつて自分が巻いていたユニバーサルのベルトを高々と掲げ「俺は今、ここにいる!」と復活を宣言した。

 巨獣と悪魔の不毛な抗争が続いていた同王座戦線だが、エースの帰還によりベルトは再び輝きを増すに違いない。レインズの復活ロードに期待が集まる。