配信されたWWE・NXT大会で大惨事が起きた。22日「NXTテイクオーバーXXX」でカリオン・クロス(35)の挑戦を受けるNXT王者のキース・リー(35)が、挑戦者に顔面を燃やされる前代未聞のハプニングが起きたのだ。

 2週連続でリングに現れないまま場内ビジョンで王者を挑発し続けてきたクロスは、悪女マネジャーのスカーレット(29)を帯同してダニー・バーチ(38)と対戦。わずか3分弱、正統的なバックドロップ連打からのクロス・ジャケット(裸絞め)で一蹴した。

 その直後だ。いまだに「テイクオーバーXXX」での王座戦について正式回答を得られないことに激怒した王者リーがリングイン。調印証を手にすると「カリオン、ようやく出てきたな。俺と『テイクオーバー』でやるんだろ。度胸があるのなら今ここでサインしろ!」と迫ったのだ。

 リング下で言葉を聞いていたクロスは不敵な笑みを浮かべるのみだ。しかしスカーレットが調印証を受け取るや、意外にもすんなりとサイン。受け取ったスカーレットは、妖艶なポーズから意味深に書類へキスすると、リング下から王者に調印証を差し出した。

 ようやく王座戦が正式決定した王者は安どの表情を浮かべ、サインを確認するため調印証を開いた。すると巨大な炎が飛び出し、王者の顔面を直撃したからビックリだ。まるで〝アラビアの怪人〟ことザ・シークを彷彿とさせるビッグファイアーに騒然とする場内と実況席。炎が両目を直撃したのか、リーは顔面を押さえてのたうち回る。リング下のクロスとスカーレットはあざ笑うように惨劇を見守っている。謎のキスは燃え上がる炎の魔術を授ける〝儀式〟だったのだ。

 慌ててレフェリーやスタッフ10人以上が飛び込み、リーの介抱に当たるが、タオルを顔に当てた王者は声にならない悲鳴を上げるのみ。バックステージに戻るや「カリオンはどこだ!」と絶叫したが、そのまま救急車で病院に直行した。

 サイコパス男の術中に完全にはめられた王者だが、果たして「テイクオーバーXXX」出場は可能なのか。たとえ負傷を押して王座戦が成立したとしても、この日の試合で証明したように、クロスは試合となれば卓越した技術と技を誇る正統派。危険極まりない相手であることは間違いない。

 北米王座(返上)とのNXT2冠王にも輝き〝史上最強王者〟への道を歩み始めたリーに、最大のピンチが訪れた。

「NXTテイクオーバーXXⅩ」は日本時間23日、WWEネットワークで配信される