【フロリダ州オーランド19日(日本時間20日)発】WWEのPPV大会「ザ・ホラーショー・アット・エクストリーム・ルールズ」で〝女帝〟ことロウ女子王者のアスカ(38)が、〝ザ・ボス〟ことサーシャ・バンクス(28)に「疑惑の3カウント」を奪われて王座を失った。

 アスカは米国マット離脱が浮上している〝海賊姫〟カイリ・セイン(31)を、サーシャはWWE女子タッグ王座を保持する相棒のスマックダウン女子王者ベイリー(31)を帯同して入場。ベイリーは第2試合でニッキー・クロス(31)の挑戦を退けてSD女子王座防衛に成功したばかりだ。

 開始早々からサーシャがヒザ蹴りを見舞ってから必殺のバンク・ステートメントと一気にラッシュ。女帝はその後もグラウンドで劣勢を強いられた。

 しかし、4分過ぎにはアームバーで窮地を脱する。さらにはパンチ連打に耐え、最上段から飛び込んできたサーシャの顔面に強烈なニー一撃。ヒップアタックで場外に突き落とすと、エプロンでも強烈なキックを叩き込んだ。

 サーシャもスタンド式腕固め、ヒザ蹴り、コーナーを使ったダブルニー、リバースのサーフボードクラッチなどで反撃。エプロンから場外バリケードへのパワーボムでペースを奪うと、再度必殺のバンク・ステートメントへ。ここは何とかアスカがロープへ逃れた。

 直後にエプロン上での攻防を制したアスカはヒザを叩き込むとジャーマン一撃。すぐさまキックを連射して、追撃のジャーマンからヒップアタックで挑戦者を大の字にさせた。メテオラを浴びてあわやのシーンもあったが、スタンドから強引にアスカロックへ移行。ここでベイリーが乱入するも女帝はバズソーキックで撃退する。

 それでも懲りないベイリーは再びベルトを持って乱入。アスカは再度撃退して孤立したサーシャの背後に立つや、怒りが爆発したのか、久々に緑の毒霧を噴射した。

 ここでまさかの事態が起きる。寸前で見切ったサーシャが身を沈めると毒霧がレフェリーに直撃したのだ。するとベイリーはベルトでアスカの顔面を痛打。何とダウンしたレフェリーのシャツを脱がせて自分が着ると、代理レフェリーとして3カウントを叩いてしまった。

 通常なら即座に反則負けとなるところだが、ベイリーは本部席にダッシュしてゴングを要請。その勢いに押されたタイムキーパーが試合終了のゴングを鳴らしてしまい、何とも不可解な形で王座交代が認められてしまった。

 ベイリーはサーシャとともにロウ女子のベルトを持ってそのまま引き上げてしまったが、常識を逸脱した反則行為であることは明白。まさかの王座転落となった女帝がこのまま黙っているはずもなく、即再戦は必至の状況となった。