【フロリダ州オーランド27日(日本時間28日)発】WWEのロウ大会が開催され、次回PPV大会「マネー・イン・ザ・バンク(MITB)」(5月10日)で行われるWWE王座戦の調印式が行われ、王者の大器ドリュー・マッキンタイア(34)が、挑戦者の“マンデーナイト・メサイア”ことセス・ロリンズ(33)に強烈な先制打を放った。

 先々週大会ではロリンズが王者を急襲。ストンプ(踏みつけ攻撃)連打で大の字にさせて王座戦が実現した。この日、珍しく黒のスーツ姿で着席したロリンズは、じらすようにサインをためらいつつ、救世主に変身してからおなじみとなった長~いスピーチを始めた。

「君は素晴らしい素材だ。いずれ偉大なチャンピオンになるだろう。しかし残念ながら、人の上に立つリーダーにはなれない。待っているのは苦しみだけだ。それはユニバース(WWEファン)の誰もが分かっている。誰がリーダーになるべきなのか。それはこの俺だ。俺がWWEを正しい方向へ導くだろう…」

 ここで王者は表情でスピーチをさえぎると「お前のおしゃべりには、もう周囲の誰もがうんざりしている。お前がどんなに言葉を並べようが、お前は俺に勝てない」と調印証を突きつけた。ロリンズはようやく「全ては『MITB』で明らかになる…」とつぶやくや調印証にサイン。ここで我慢に我慢を重ねていた王者が爆発した。

 サインを確認する間もなくロリンズの顔面をテーブルにしたたか打ちつけてパンチを見舞う。さらにはテーブルとイスを場外に放り投げ、上半身裸になるや、うずくまる救世主にトドメを刺そうとした。するとロリンズ一派のバディ・マーフィー(31)が救出に駆けつけ、王者をコーナーに押し込んでしまう。だが2人が抱擁をかわすと王者必殺のクレイモア(ランニング式シングルドロップキック)がマーフィーの顔面に直撃。挑戦者は慌ててリングを降りた。

 王者は調印証のサインを確認しつつ、ステージまで下がった救世主の姿をあざ笑った。祭典「レッスルマニア36」で難攻不落の“ビースト”ことブロック・レスナー(42)を撃破した王者が、勢いを取り戻した格好だ。

 またかつて中邑真輔(40)と抗争を展開した“インドの怪人”こと元WWE王者のジンダー・マハル(33)が約10か月ぶりに復帰。元WWEクルーザー級王者の戸澤陽(34)をわずか34秒、カラス(コブラクラッチ式スラム)で沈めた。マハルは昨年6月にヒザを負傷。以来欠場が続いていた。

「マネー・イン・ザ・バンク」は日本時間5月11日、WWEネットワークでライブ配信される。