WWE記念すべきレッスルマニア第1回大会 MS・Gにアリ登場「13億円マッチ」

2020年04月04日 16時35分

アリ(右)はミスターTとパイパー(上)の攻防を凝視。左はホーガン

【プロレスPLAYBACK(1985年3月31日)】新型コロナウイルスの感染拡大は、世界最大のプロレス団体「WWE」にも大きな影響を及ぼしている。祭典「レッスルマニア36」(4月4、5日=日本時間5、6日)が、史上初めて無観客で行われるのだ。全世界が未曽有の危機に直面している中、暗い世相のムードを吹き飛ばす熱戦の連続となるに違いない。

 35年前の1985年3月31日(同4月1日)、ニューヨークの格闘技の殿堂マジソンスクエア・ガーデン(MS・G)で記念すべき第1回大会が開催された。最大の注目は、特別レフェリーを務めたボクシングの元世界ヘビー級王者モハメド・アリだ。まだスタジアム級の会場で7~8万人規模を集めるには至らず、本紙には「観衆2万6000人」と記されている。メインは超人ハルク・ホーガン、ミスターT組で、セコンドは“スーパーフライ”ジミー・スヌーカ。対するはロディ・パイパー、ポール・オーンドーフ組。セコンドは“毒蛇”ランディ・オートンの父親、ボブ・オートン・ジュニアという豪華な顔ぶれだった。

「世界最強の男アリは“13億円マッチ”メインでサブレフェリーを務め、爆発的なアリ旋風を巻き起こした。アリがプロレスマットに登場したのは米国では初。76年6月26日に日本で異種格闘技戦を行って以来、実に9年ぶり。定員を4000人もオーバーする2万6000人の大観衆は、役者が揃うと狂喜乱舞。アリと並ぶビッグネームのニューヨーク・ヤンキース監督、ビリー・マーチンもあいさつしたが、アリを迎える大歓声に全ての影は薄くなった。

 試合はホーガンがニーパット、エルボードロップでオーンドーフを攻める。俳優から転向したばかりのミスターTとはピッタリの呼吸だ。大ハプニングは20分過ぎに起きた。オーンドーフとパイパーが場外でホーガンを痛めつけると、アリは何度もブレークを促すが、興奮したパイパーは無視。その瞬間だ。アリの左ストレートが顔面に炸裂。世界を制した最強パンチ一発でダウンとなってしまった。混戦の中でホーガンはアックスボンバーをオーンドーフに命中。決戦を制した。アリはMS・G創設以来のビッグイベントの主役を奪い、文字通りのドリームマッチは幕を閉じた」(抜粋)

 大会は「史上初の総収入13億円マッチ」と宣伝され、特別リングサイドは当時では破格となる100ドル(当時約2万6000円)。発売からわずか2日で全チケットが完売した。全米24都市にクローズドサーキット会場が設置され、約100万ドル(約2億6000万円)の高収益となった。現在はWWEネットワークにより全世界にライブ配信されているが、35年前は「遠い国の夢物語」だった。祭典は第3回大会(87年3月29日、ミシガン州ポンティアックのシルバードーム)で9万3173人の大観衆(歴代2位)を記録し、世界的メガイベントへと成長を遂げていく。(敬称略)