【WWEレッスルマニア】苦節11年…コフィが奇跡のWWE王座初戴冠

2019年04月08日 11時57分

悲願のWWE王座を奪取したコフィは家族と大喜び(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.

【ニュージャージー州イーストラザフォード7日(日本時間8日)発】WWEの祭典「レッスルマニア」が当地のメットライフ・スタジアムで開催され、注目のWWE選手権は、人気者コフィ・キングストン(37)が悪の王者“ニュー”ダニエル・ブライアン(37)を撃破。奇跡の初戴冠を果たした

 全米が、いや世界中が泣いた。ここまで2度も王者からフォールを奪い破竹の快進撃を続けながら、権力者サイドの陰謀で挑戦を延期され続けてきたコフィ。会場は努力の人の王座奪取を念じるかのような大「コフィコール」一色に包まれた。

 開始はじっくりとしたグラウンド戦。ブライアンは冷酷に挑戦者の関節を決め続ける。5分、10分…しなやかな肉体を誇るコフィにもさすがに疲労の色が見え始めた。しかしニュー・デイの盟友エグゼビア・ウッズ(32)のトロンボーン、ビッグEの大声援を背に受けたコフィは、さっそうと立ち上がった。

 そう、俺たちは悪や権力に屈してはダメなんだ――。再びファイティングポーズをとるコフィの表情は毅然とした決意に満ちていた。

 王者が十八番のニープラス(ランニングニー)にきたところをカウンターのダブルニーで迎撃。さらにはトラブル・イン・パラダイス(回転式ジャンピングハイキック)を決める。しかし王者のセコンド、エリック・ローワン(37)が介入。このピンチは、ニュー・デイの相棒2人が場外でのミッドナイトアワーで救出する。逆にコフィも場外でのトラブル弾でローワンを排除した。

 それでもダメージは大きい。フィニッシュを狙う王者はイエスポーズから悪魔の笑みを浮かべてトドメのニープラスに出た。しかしコフィはこれを寸前で回避すると、逆転のSOS(変型大外刈り)一撃。鮮やかに決まるも王者はカバーに入った挑戦者を逆にイエスロックに捕らえる。詰め将棋のようなハイレベルな技術戦は続いた。

 ブライアンはイエスキックを連打。全身の激痛に耐えながらコフィもミドルキックで反撃する。さらにはドラゴンスリーパーの態勢から、何とそのまま後方にスーパープレックスで投げ捨てる。追い込まれた王者の目からは狂気の色がうせ、明らかにレスラーとしての闘争本能が燃え上がっていた。コフィの大健闘が王者の目を覚めさせたのかもしれない。

 バックステージのモニター前では50人以上のスーパースター勢がコフィに大声援を送り続ける。劣勢に立たされた王者は両腕をリストクラッチして非情な顔面へのストンピング。そして再びイエスロックでグイッと絞め上げた。

 しかしコフィの頭にはタップの概念など消えていた。腕を決められた状態にもかかわらずマウントを強引に奪うと、鬼の形相でリストクラッチ式顔面ストンピングを逆に見舞う。直後に必殺のトラブル弾一撃。文句のない3カウントを奪って苦節11年、コフィが悲願のWWE王座を手中にした。

 場内はもはやお祭り騒ぎだ。号泣するニュー・デイのメンバーに肩車されたコフィは、天まで突き抜けんばかりの勢いで「やったぜ!」誇らしげにベルトを掲げた。夢とも思われたコフィの王座奪取は、あらゆる苦境に立つ人間にとって最高の激励メッセージとなった。WWE王座史上でも前例のない、万人に愛される王者の時代が始まった。