【WWE】コフィ 歴史に残る「3608秒」大奮戦もWWE王座挑戦棚上げ

2019年03月20日 14時22分

ブライアンに敗れ、コフィ(下)のWWE王座挑戦はお預けになった(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.

【インディアナ州インディアナポリス19日(日本時間20日)発】WWEのスマックダウン(SD)大会で、ニュー・デイ(ND)の人気者コフィ・キングストン(37)が奇跡の5人抜きでガントレットマッチを制した。しかしまたしても悪の最高権力者ビンス・マクマホン会長(73)の策略により、祭典「レッスルマニア35」(4月7日、ニュージャージー州イーストラザフォード)でのWWE王座挑戦は棚上げとなった。

 先週大会で会長は王座挑戦を迫るコフィに対し、ザ・バー(シェイマス&セザーロ)、ローワン(37)、サモア・ジョー(40)、ランディ・オートン(38)とのガントレット戦を命じた。誰がどこからどう見ても勝ち目のない試合だったが、WWE王者ダニエル・ブライアン(37)から2度もフォールを奪った人気者がまたしても奇跡を演じた。

 まずシェイマスをトラブル・イン・パラダイス(回転ハイキック)で退けると、セザーロにはSOS(変型大外刈り)を見舞って見事な3カウントを奪う。ペース配分など関係ない。まるで「途中で死んでもいい」とでも決意したかのような猛攻だ。人気者の明日なき暴走に、会場はインディアナポリス市全体にまで響き渡るような「コフィコール」に包まれた。

 続くはブライアン配下のローワン。実況席まで使う暴走には手を焼くも、ローワンがイスを手にした瞬間、レフェリーが反則裁定。敵が自滅した格好となり、コフィには救いの1勝となった。バックステージのVTR前にはNDのビッグE、エグザビア・ウッズを筆頭に30人以上もの選手が並び、涙声でコフィに声援を送った。

 さあ、残るはあと2人。疲労の色濃いコフィはサモアの怪人のパワーに押され、ストンピングからラリアートの波状攻撃を浴びる。しかしジョーがキン肉バスターを狙った瞬間、しなやかな上体を巧みにそらして大逆転の回転エビ固め。一瞬で勝負をひっくり返した。この時点ですでにゴングから40分が経過。英雄の奮闘に場内は割れんばかりの大騒ぎだ。

 5人目は毒蛇オートン。さすがにこの試合だけは荷が重い…のムードが漂ったが、コフィだけは勝利を確信していた。毒蛇に場外でいたぶられ、スチール製階段に投げつけられたが、逆に投げ返して意地を見せる。リング上では毒蛇の非情な顔面ストンピング、エルボーで青息吐息となるが、勝負を決めにきたRKOは寸前で逃れ、跳躍力抜群のドロップキックで反撃した。

 奇跡は続く。雪崩式脳天砕きをダブルニーで返すと、必殺のRKOにも耐えて、後方へクルリ。鮮やかな丸め込みでコフィが5人抜きを決めた。実に52分40秒、驚異的な底力を発揮してコフィが実力で王座挑戦権を獲得。歓喜の雄たけびを上げる英雄を相棒のビッグEとウッズが肩車して祝福した。

 ここでビンス会長が登場し「コフィおめでとう。君は祭典での挑戦権を獲得した」と妙に素直に称賛。しかし続けて出てきた言葉は「だが、王座戦の前にもう一人倒さなければならない男がいる。紹介しよう。この男だ」。ここで王者のブライアンが登場する。もちろん場内は大ブーイング。NDは「聞いてねえよ!」と猛抗議するが、ゴングは鳴らされてしまう。どこまで会長はコフィに嫌がらせするつもりなのか…。

 場内は旧イエス男に対して耳をつんざかんばかりの「ノー!」コールを浴びせる。それでもけなげなコフィは雪崩式バックドロップに耐え、逆にトラブル弾で反撃。しかし第1試合から1時間を経過しているとあって、体が動かなくなってくる。最後はランニングニーで無念の3カウントを聞いた。実にここまで1時間8秒。課せられた試合に勝ちながらコフィの挑戦はまたもやお預けとなった。

 大の字でピクリとも動けないコフィ。その姿はまるで15ラウンドを戦い抜いて真っ白に燃え尽きた矢吹丈のような神々しさに満ちていた。すぐさまビッグE、ウッズが駆けつけて介抱するがコフィは動けない。祭典での王座挑戦は振り出しに戻ったが「コフィの3608秒」はWWE史上に永遠に残る大奮戦となった。