【ミシガン州グランドラピッズ11日(日本時間12日)発】WWEのロウ大会で主要タイトル戦線に連続して大波乱が起きた。

 祭典「レッスルマニア35」(4月7日、ニュージャージー州イーストラザフォード)でWWEユニバーサル王者の“ビースト”ことブロック・レスナー(41)に挑戦するセス・ロリンズ(32)は、抗争中のザ・シールドの元盟友“狂犬”ことディーン・アンブローズ(33)から激励を受けるまさかの展開となった。

 第5試合前に登場したロリンズが祭典への決意を語っていると、レスナーの代理人ポール・ヘイマン(53)が登場し「お前はブロック・レスナーに勝てない」と豪語したのだが、ビーストの姿はなし…。ロリンズが落胆していると、アンブローズがリングに上がり「俺の言いたいことは一つしかない。野獣を狩れ」と激励とも受け取れるメッセージを送り、NXTから昇格した筋肉青年EC3(35)とのシングル戦に臨んだ。

 電撃和解を思わせる感動的な言葉にロリンズも笑みを浮かべたが、それ以上の接触はなし。先週大会でEC3に敗れた狂犬は、相手を丸め込んで速攻勝負を決めた。狂犬はWWE退団を表明しており、ロリンズとの和解を望んでいるのか、真意は分からないまま。狂犬の迷走は続きそうだ。

 また次回PPV大会「エリミネーション・チェンバー(EC)」(17日、テキサス州ヒューストン)でボビー・ラシュリー(42)&リオ・ラッシュ(24)とのインターコンチネンタル王座ハンディ戦に臨むフィン・ベイラー(37)は1日3試合の“苦行”を強いられた。

 第2試合、ドリュー・マッキンタイア(33)戦は、わずか50秒で王者が乱入し、反則裁定に終わった。王者組に暴行を受けていると、マッキンタイアと遺恨が残る世界最高のプロレスラー、カート・アングル(50)が救出に駆けつけ、王者チームを片っ端から投げ捨てて完全復活をアピールした。

 すると今度はマッキンタイアの親分バロン・コービン(34)、続けてコービンと抗争中の“巨獣”ブラウン・ストローマン(35)が乱入。収拾がつかなくなったため、全員まとめた6人タッグ戦が緊急挙行された。大混戦の末、王者がドミネーター(カナダ式背骨折りからの顔面砕き)でベイラーからフォールを奪ったが、明らかにカウント2でベイラーの左足はロープに。協議の結果、レフェリー差し違えによって試合継続となった。

 最後は必殺のクー・デ・グラ(ダイビングフットスタンプ)でベイラーが王者から3カウントを奪取。あまりに長~い前哨戦、しかも実質3試合を戦って王座戦へ気勢を上げたものの、疲労困ぱいの展開となってしまった。

 またロウタッグ王座はボビー・ルード(41)、チャド・ゲイブル(32)組がザ・リバイバル(スコット・ドーソン、ダッシュ・ワイルダー)に敗れ、王座交代となった。

 また「EC」で行われる新WWE女子タッグ王座決定戦(6チームによるEC戦)の前哨戦3WAYタッグマッチはナイア・ジャックス(34)、タミーナ(41)のサモアン巨漢コンビが、サーシャ・バンクス(27)、ベイリー(29)組、ライオット・スクワッド(リブ・モーガン、サラ・ローガン)を退けた。